D2Cブランドを立ち上げる前に知っておきたい失敗要因

D2C 失敗する理由

昨今のD2Cビジネスの流行りに伴い、新たにブランドを立ち上げる企業や個人の方が増えてきています。

しかし、多くのD2Cブランドが生まれる中、大赤字で採算が合わず撤退していく姿を幾度となく見てきました。

貴社にはそんな失敗を歩んでほしくない…そんな想いで、筆をとりました。

この記事では、D2Cブランドを立ち上げる際に失敗する理由を14個挙げ、改善策を併記しました。

他社の成功事例は、時期や環境などが追い風となっていることもありますが、失敗要因に関しては汎用性が高いため、これからD2Cブランドを立ち上げる方は必見の内容です。

失敗例は計14個あるため、興味のあるトピックから読み進めてください。目次をタップすると、該当箇所にジャンプできます。

目次

失敗要因①:成功している企業を真似て始める

まず挙げられるのは、成功している企業を真似て始めることです。

成功する過程では多くの外的な要因を含むため、外部に見えている部分だけ真似をしても上手くいかないケースは往々にしてあります。

例えば、時期やトレンドが違うという理由で、競合他社のように上手くいかないケースがあります。

私が新卒で入社した会社は化粧品のベンチャー企業でしたが、もし参入があと2年遅かったら、同じようにはグロースしなかっただろうと確信しています。

その理由は、年々Web広告などで言える訴求・ベネフィットが厳しくなっていたり、物流にかかる費用が以前と比べて高騰していたり、多くの競合が参入してコモディティ化してきたことが挙げられます。

成功している企業を参考にして意思決定を行うことは非常に大切ですが、あくまで自社のターゲットとなるペルソナのインサイトを深掘りした上で判断することを忘れないでください。

なお、「〇〇という商品が売れているらしいから、弊社も始めよう!」という安易な判断は危険ですが、競合他社の訴求や販売方法については積極的に分析を行い、良い部分は自社に取り込みましょう。

例えば、LPやバナーなどのクリエイティブの中でも、継続的に出稿されている競合他社のLPは詳しく分析すべきです。

失敗要因②:そもそも集客が上手くいかない

新たにD2Cブランドを立ち上げたものの、集客が上手くいかないというケースがあります。

ECモールなどのプラットフォームを活用して販売する場合は、プラットフォームに集まるユーザーから集客が見込めることがあり、ショップを立ち上げるだけでも認知を広げることができます。

しかし、自社サイトを構え、直接ユーザーを集客する必要がある場合、自社で集客を行わなければ全く認知されません

顧客ニーズの深掘りや、商品開発に力を入れることはもちろん重要ですが、事前に集客方法を考えておかなければ、結果的に全く売れなかった…となりかねません。

自社でD2Cブランドを立ち上げる前に、購買するであろうペルソナのカスタマージャーニーマップや商品特性から、どのようなアプローチで集客していくかをブレストして、あらかじめ戦略を立てておくとよいでしょう。

下記は集客方法の一例です。

  • リスティングなどのWeb広告
  • 自然検索からの流入(オウンドメディア)
  • ECモール(Amazonや楽天市場 など)
  • クラウドファンディング
  • プレスリリース
  • ティザー広告・ドライテスト
  • TwitterやInstagramなどのSNS
  • アフィリエイト(SEO・アド・インフルエンサー)
  • インフルエンサーマーケティング
  • 他Webサイトへの記事の寄稿
  • 紹介キャンペーン・口コミ施策
  • 新聞・雑誌や折り込みチラシ
  • ポスティング
  • CM・インフォマーシャル   …など

時間のリソースやプロモーション費用には限りがあるため、自社D2Cブランドの特性を踏まえ、各集客手法を選定することをおすすめします。

失敗要因③:事前リサーチを怠り、いきなり商品を作ってしまう

リサーチをせず、いきなり商品を作ってしまう、というのも失敗要因の1つです。

例えば化粧品のD2Cにありがちなのは、『魅力的な成分をOEM会社の社長から紹介され勢いで発注する』という流れでしょうか?

  • 多くのユーザーが魅力的に感じる成分なのか?
  • 商品やサービスによって、どんなベネフィット・効果効能が得られるのか?
  • 市場や競合はどの程度存在するのか?
  • 利益が出やすい原価で仕入れることができるのか?
  • どのようなビジネスモデルで販売するか?
  • ユーザーヒアリングを適切に行ったか?
  • 年間でROI・ROASはどれくらい見込めるか?

…など、商品を作る前にやらなければいけないことは多岐に渡ります。

自社でD2C商品を作る前に、顧客インサイトを徹底的に深掘りし、おおよその年間計画表を立てましょう。

ROIやROASの予測を行っておけば、どれくらいの利益が見込めるかを、事前に把握することができます。

闇雲に走り出すのではなく、商品開発前に1つずつ不安を潰していくことが大切です。

勢いで販売開始して成功したD2Cブランドを見たことがないので、何事も慎重に進めていくよう心がけましょう。

失敗要因④:商品の独自性や世界観が無く、競合に埋もれてしまう

商品の独自性や世界観が無く、市場で比較されたときに競合に埋もれてしまうというのも、失敗要因の1つです。

D2Cで大切なことは何か?と聞かれて真っ先に挙げられるのは、『ベネフィット・独自性・世界観』です。

とりわけ最近のZ世代では、D2Cブランドの世界観やストーリーに共感し、購買に至ることも少なくありません。

もちろん「開発ストーリーなんてどうでもいい!それより機能とスペックを教えてくれ!」という層もいますが、Amazonや楽天市場などのECモールからではなく、わざわざ自社サイトから購買してくれるユーザーには、独自性や世界観は重要な購買ファクターの1つです。

独自性を明確化するためには、市場・競合分析はとても大切です。

商品のベネフィットや独自性を明確に伝えられる状態にしておきましょう。

あわせて、どのような世界観に共感してもらいたいかを考えておくことで、より濃いファンの獲得に繋がります。

失敗要因⑤:原価率が高すぎる

あたりまえですが、原価率が高すぎると、利益を確保するハードルが高くなります。

商品・梱包費・配送費などにかかる金額も加味して、原価率を設定した方がよいでしょう。

また、原価率が高すぎると集客手法がかなり制限されます。
プロモーション費用が圧縮され、ほとんど広告が打てない体制になってしまったり、アフィリエイターに支払う報酬 (紹介料) を低く設定せざるを得なくなってしまいます

SNSやオウンドメディアなど、自社D2Cブランドをリーチするチャネルが強い場合は、原価率が高くても成立するケースもありますが、そうでない場合、険しい道のりになるでしょう。

例えば、アパレルの平均原価率は20~30%程度ですが、40%に設定した場合、ほぼその時点で赤字になることが確定してしまいます。

例外として、インフルエンサー・芸能人などによる販売は、原価率が高くても利益を出すことが可能な場合もあります。

例えば、オリエンタルラジオの中田敦彦さんが、2021年からアパレルのサステナブルブランドを始めましたが、自身のYouTubeで多くの人にリーチができるため、原価率65%でも利益を出すことが可能です。

※中田敦彦さんの事例は、服の大量廃棄問題や日本の工場を盛り上げようという思いが共感を呼び、多くのユーザーの購買に繋がっているのでしょう。

あなたが、多くのユーザーに対してリーチできるチャネルを持っていないのであれば、原価率はなるべく抑えることを意識してください。

梱包材や商品箱に関しても、こだわりすぎて原価が高騰しがちですので注意が必要です。

失敗要因⑥:商品の質が悪く継続率が悪い

次に、商品の質が悪く、継続率が悪いことが挙げられます。

商品力に欠ける場合、Web担当者としては、販売戦略に頭を悩ませがちです。

D2Cブランドを展開している企業に現状の課題を訪ねると、『新規顧客の集客』と答えるケースが多いです。

しかし、よくよくヒアリングをしてみると、ボトルネックは継続率の低さだった、ということは往々にしてあります。

新規で顧客を獲得し続けたとしても、商品の質が悪ければ、リピート購買されず、いつまで経っても黒字転換しない状況に陥ってしまいます。

「CRM施策をどうすればいいか?」とご相談をいただくことがありますが、継続率を高める最大の施策は『質の高い商品を提供』することです。

質の高い商品でなければ、かけられる広告費やプロモーション施策が限られてしまうため、自信を持って販売できる商品を開発しましょう。

原価率を上げすぎず、商品の質を上げるというのはかなりの難題ですが、多くのOEM工場と粘り強く交渉することで、実現を目指しましょう。

もしあなたが今からD2Cブランドを開発するフェーズであれば、「時間をかけすぎ!」と言われるくらい、商品を開発する前に、十分な時間をかけることをおすすめします。

失敗要因⑦:CRM施策を怠り、自転車操業になっている

多くのD2C企業は『新規顧客の獲得』に精一杯で、CRM施策まで十分に網羅されている企業は本当に少ないです。

日々の業務に追われ、CRM施策を二の次にしてしまっていると、後々痛い目を見ることでしょう。
新規顧客に費用を投じるためには、顧客を獲得した後の関係づくりが非常に重要です。

顧客が商品を購買した後に、どのような接点を持つかを深掘りしましょう。

また、新規顧客の獲得は、継続顧客からの売上よりも5倍の費用がかかると言われています。
継続的なリピート(CRM)を整えなければ、穴の開いたバケツに水を入れ続けるようなものだということを覚えておいてください。

CRM施策大全については、こちらの記事にまとめました。

失敗要因⑧:物流の重要性を軽視している

『物流はD2Cの要』と言われるほど、物流はD2Cブランドを運営する上で大切です。
物流の重要性を軽視すると、必ず痛い目に合います。

会社規模にもよりますが、物流の改善によって数億規模で経費を削減できることもあるため、物流に注力する担当者を必ず1人以上つけることをおすすめします。

まずは物流の仕組みを理解することが大切なので、商品出荷から発送までの大まかな流れを、下記の記事で確認しましょう。

まずチェックすべきポイントは下記です。

  • 梱包費用は削減できないか?
  • 物流のオペレーションは改善できないか?
  • 保管している在庫棚の位置は適切か?
  • 商品が大量に売れたとき、スムーズな発送体制を組めるか?
  • 在庫を抱えすぎていないか?
  • 適切な在庫管理状況か?

上記以外にも、物流で改善すべきポイントは多くありますが、まずは自社のD2Cブランドに当てはめてチェックしましょう。

失敗要因⑨:無計画な店舗出店を進めてしまう

無計画な店舗出店を進めてしまうことも、失敗要因の1つです。

D2Cブランドをグロースさせていく際には、日々のランニングコストを極力抑えつつ、新規顧客を獲得する必要があります。

売上が伸びてきた際に、オフラインでの販売で加速させようと、無計画に店舗を出店するケースがありますが、人件費やテナント代が膨らみ。既存の利益を圧迫して経営難に陥る可能性があります。

まずは、テスト的にポップアップストアの開催から始め、オフラインでの顧客との関わり方を試していくフェーズを設けましょう。

ポップアップストアで、顧客とオフラインでコミュニケーションを取ることで、ユーザー体験が大きく向上した場合、店舗出店も選択肢になってくるかと思います。

店舗出店によりユーザー体験を向上し、売上アップに繋がっている事例では、FABRIC TOKYO が挙げられます。

オーダースーツのD2Cを展開している企業で、元々はユーザーが自宅でスーツサイズを測って注文をしていました。

しかし、注文はオンラインで完了したいが、サイズの計測はプロにお願いしたいというニーズがあったため、オフラインで店舗を構えることでCVRが高まったそうです。

上記のように、ユーザー体験が向上する場合は、店舗出店は売上や顧客満足を向上させますが、無計画な出店は自ら首を絞めるだけですので絶対にやめましょう。

失敗要因⑩:情熱を持ったWeb担当者がいない

情熱を持ったWeb担当者がいない場合、失敗に終わるケースが多いです。
D2Cブランドの成功要因として、創業者やブランドマネージャーの情熱というのはよく挙げられます。

商品に絶対の自信を持ち、自社D2Cブランドを多くの人に知ってもらおうと推進できる人材がいない場合は、成功から遠のいてしまうと常々感じます。

よくある失敗事例は、トップダウンでD2Cブランドを立ち上げることになり、担当者が愛着を持てない商品をなんとなく販売しているケースです。

D2Cブランドを担当するWeb担当者が「これは売れないよな…」と思っている商品を販売していくのは難しいでしょう。

また、少人数でD2Cブランドを立ち上げる場合、フルコミットできる人材が不足していることで、何から何まで中途半端になってしまい、失敗に終わるケースもあります。

上記のような失敗を避けるためにも、

  • 担当者を巻き込みながら商品開発をする
  • 商品の魅力が伝わるような勉強会の開催

など、日々担当者とコミュニケーションを取るよう心がけてください。

失敗要因⑪:何でも外注 or 何でも内製化してしまう

何でも外注してしまう、もしくは何でも内製化してしまうケースは、失敗に繋がりやすいです。

まず、何でも外注してしまうケースの場合は、責任の所在がどこにあるか分からず、責任の押し付け合いになることがあります。

各担当ごとに最善は尽くしていても、横軸で全体を統括できる人がいなければ、最適な施策を打つことはできません。
こぼれたボールに対処することができるCOOやCMOのポジションは、内製化した方がよいでしょう。

逆に、何でも内製化してしまうケースでは、担当者が日々の業務に追われ、プラスアルファの施策や、各施策ごとの検証がおざなりになってしまいます。

内製化をすることで、競争優位性を保つことができる領域に関しては、自社で行ったほうがよいですが、そうでない場合は、どんどん外注してプロを活用するべきです。

自社のD2Cブランドの肝となる部分は何かを見極め、コアとなる業務以外は、積極的に外部リソースを活用しましょう。

失敗要因⑫:値下げキャンペーンに頼った販売を続ける

中長期的にみると、値下げキャンペーンに頼った販売を続けることが失敗に繋がるケースがあります。

2ヶ月に一度、半額キャンペーンやカムバックキャンペーン、再トライアルキャンペーンなど、常に何らかのキャンペーンがある状態が続くと、キャンペーン時しか売れなくなってしまいます

とりわけアフィリエイトなどで販促を行うと、Web上にキャンペーン情報や最安で買う方法などの情報が記載されるため、通常価格で購入するユーザーがみるみる減っていきます

その後、プロモーションを行う際も『価格訴求』でしか売れなくなってしまうという悪循環に陥ってしまうため、キャンペーンを行う際は、十分な注意が必要です。

D2Cでは、販売を開始してから、値段や売り方の変更をすることは往々にしてあります。
価格訴求に頼りすぎないよう、十分に留意してキャンペーンを行うようにしましょう。

失敗要因⑬:無計画に商品を作りすぎてしまう

無計画に商品を作りすぎてしまうというのも失敗要因の1つです。

D2C商品を展開しているとアッパーがきたと感じることがあるかと思います。
その際に、クロスセルに繋げようと、商品数を無計画に増やしすぎるのはあまり得策ではありません。

商品数が増えることで、売り上げは一時的に増えますが、粗利が減ってしまうという状況はよくあります。
商品を販売するためのLP・バナー制作、コピーライティングなどの業務に時間を割く必要があるため、メインである既存商品に影響が出ることも考えられます。

同梱物や資材などの在庫管理も煩雑化することで、物流担当の業務が増えることも覚悟してください。

既に展開しているD2C商品と親和性が低い商品は、そもそも売れないことが多いため、新たに作るD2C商品は既存商品と親和性の高い商品を作ることを心掛けましょう。

<例>『美容液』を開発した後に、『化粧水』と『乳液』を開発する。

失敗要因⑭:卸売りを外注している

最後に、卸売りを外注しているケースです。

外注すること自体は、なんら問題無いのですが、卸売りの契約がD2C事業者にとって不利な場合があるため、失敗要因になりがちです。

また、一番怖いのは、販売価格に対する取り決めで、卸売りをする以上、Web上で販売価格を大幅に下げられてしまうと、卸売りで売れづらくなるため、価格を柔軟に変更できない場合があります。

そうなると、Web上でプロモーションをする際に、施策の打ち手が少なくなったり、現状の売り方を変えることもできなくなってしまいます。

D2Cでは、2stepで販売したり、おまとめ定期売りをしたりと、販売手法をピボットしながら勝ちパターンを探すことが多いため、現状の売り方を変えることができないのはかなりの損失です。

卸売りを取り組むならば、まずは自社で行うことを考え、外部のパートナーと契約するときは、慎重に取り決めをするようにしてください。

まとめ

この記事では、D2Cブランドを立ち上げる際に失敗する理由を14個挙げ、改善策を併記しました。

D2Cは、ECモールでの販売とは異なる売り方や、運営ノウハウが必要です。
ベネフィットや独自性・世界観をしっかりと構築し、濃いファンの創出は欠かせません。

事前に知っておけば失敗を避けることができるケースも多いので、他社の敗要因をしっかり把握しておきましょう。

D2C立ち上げの一連の流れについては下記に記載しておりますのでご一読くださいませ。

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  • 今後D2Cブランドを立ち上げたい
  • 集客が上手くいかない
  • Web広告販売に限界を感じている
  • 継続率が伸びずLTVに課題がある

上記に当てはまる企業様は、ぜひ一度ご相談ください

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執筆者

新卒で化粧品通販ベンチャー(株式会社MIRAI)に入社後、広告運用・物流(フルフィルメント)・CM制作・アフィリエイト・オウンドメディア立ち上げを経験。
その後、株式会社PLAN-Bに中途入社し、SEO&アフィリエイトコンサルタント・フィールドセールスとして従事。その後『株式会社ジェネマーケ』を設立。

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