キャッチコピーを作る目的は「商品を売ること」や「商品の認知度を上げること」です。
キャッチコピーを打ち出したものの、商品がなかなか売れない、認知度が上がらないという場合には、キャッチコピーの見直しが必要かもしれません。
この記事では、商品が売れるキャッチコピーの作成方法やコツを解説します。
マーケティングにおけるキャッチコピー
マーケティングにおけるキャッチコピーは、ただ自社の商品・サービスを分かりやすく宣伝することが目的ではありません。キャッチコピーによってターゲットの心を掴み、「この会社だ」「あの商品だ」と印象付けたり、覚えてもらったりすることが目的です。
世の中で販売されている商品・サービスには、このキャッチコピーが必ず付いています。
とくにマーケティングの分野においては、キャッチコピーによって企業や商品のイメージが決まるため、成約率や売り上げにも大きく影響を与えます。
自社の知名度をアップさせて、商品の売れ行きを伸ばすためには、いかに印象に残るキャッチコピーを付けて、ターゲットの興味関心を惹きつけられるかが重要です。
キャッチコピーを作る際に押さえるべき7つのポイント
キャッチコピーの作成に際して、ただ闇雲に思いついたコピーを並べているだけでは、商品が売れるキャッチコピーは生まれません。
- ターゲットを明確にする
- できるだけシンプルにする
- ベネフィットを伝える
- 数字を使って具体的にする
- 簡便性をもたせる
- 権威性をもたせる
- 意外性をもたせる
押さえるべきポイント7つを踏まえたうえで、良質なキャッチコピーを作り上げましょう。
①ターゲットを明確にする
商品が売れるキャッチコピーを作成するためには、「商品を購入するターゲット」を明確にする必要があります。
自社商品・サービスの特性を踏まえたうえで、利用する顧客はどのような層であるかを考えましょう。
以下のように、属性やライフスタイルなどをもとにターゲット層を絞り込むことがポイントです。
カテゴリー | 年齢・職業・年収・地域 …など |
ライフスタイル | 性格・趣味・価値観 …など |
プロブレム | お悩み・問題視している事柄・購入動機 …など |
ターゲット層を明確化することで、「商品・サービスを届けたい顧客」の心にも届くキャッチコピーを考案できます。
②できるだけシンプルにする
長すぎるキャッチコピーは、インパクトが弱くなり、ターゲットの印象に残りにくくなります。
なぜなら、キャッチコピーが長いと説明文のような印象を与えやすく、読むこと自体を億劫に感じさせてしまうためです。
商品・サービスの良さを伝えたいあまり、多くの情報を詰め込んでしまうとインパクトを与えることはできません。
キャッチコピーに使用する言葉は、できるだけシンプルに短文でまとめることがポイントです。
③ベネフィットを伝える
キャッチコピーには、商品・サービスを利用することで得られる「ベネフィット(便益)」を含める必要があります。
キャッチコピーが商品を説明するだけの内容になっていては、顧客の心には響かず、購入につながりにくくなってしまいます。
キャッチコピーに目を留めた顧客が、購入後に得られるメリットをイメージできるような内容にすると、購買意欲を高める効果が期待できます。
たとえば、ターゲットが持っている悩みや課題を解決できるようなワードを盛り込むことが効果的です。
④数字を使って具体的にする
キャッチコピーには、商品・サービスの価値を示す「具体的な数字」を加えることもポイントです。
具体的な数字には、売上や販売実績、導入期間などが挙げられます。
▼具体的な数字を加えたキャッチコピー例
- 売上No.1
- 3週間続けるだけ
- 累計販売個数○○突破
具体的な数字を加えることにより、キャッチコピーを見た顧客が商品・サービスをイメージしやすくなるほか、品質の良さを伝えられます。
⑤簡便性をもたせる
キャッチコピーに簡便性を持たせることもポイントです。
商品やサービス自体の良さを伝えられたとしても、購入手順や操作などが難しそうだと思わせてしまうと、購入を断念させる結果にもつながりかねません。
キャッチコピーを見て「自分にも簡単に扱えそうだ」と思ってもらえるかどうかが、顧客の購入意欲を左右します。
⑥権威性をもたせる
とくにターゲット層が女性の場合、キャッチコピーに「権威性を持たせる」ことが効果的に働きます。
これは、女性が口コミや他人の評価をもとに商品価値を決定する傾向が、男性に比べて強いためです。
有名人やメディアといった媒体を通して評価されている事実をキャッチコピーに加えて活用すると、女性をはじめターゲット層全体に信頼度を高める影響を与えられます。
⑦意外性をもたせる
キャッチコピーに「意外性」を持たせれば、強いインパクトを与えられます。
既存の常識を覆すような内容であればあるほど、顧客の「試してみたい」という好奇心をくすぐり、購入意欲へとつながりやすくなります。
特に斬新な商品・サービスであれば、積極的にキャッチコピーに取り入れた方がよいでしょう。
キャッチコピー作成の流れ
ここからは、キャッチコピーを作成する流れを4つのステップで解説します。
①ペルソナを決める
キャッチコピー作成におけるペルソナとは、自社商品やサービスの典型的な利用者を具体化した人物像を指します。
実際に存在するユーザーのように、具体的な要素を肉付けしてペルソナを作り上げます。
▼「ペルソナ」の一例
名前 | 鈴木 花子 |
年齢 | 35歳 |
職業 | パート |
家族構成 | 夫・娘(小学2年生)の3人家族 |
世帯年収 | 800万円 |
居住地 | 東京都世田谷区 |
趣味 | DIY、韓国ドラマ、ヨガ、キャンプ |
ペット | 猫1匹 |
このように、概括的に設定していたターゲット層より具体的なユーザーを定義することで、ターゲットに対する理解を深められます。
②ペルソナが求めていることを考える
ステップ①で具体化したペルソナについて、さらに掘り下げて以下の内容を考えます。
- ペルソナが何を求めているのか
- ペルソナの求めていることに対して、自社商品やサービスができることは何か
ペルソナの抱えている悩みが想像しにくい場合は、ペルソナの年齢や職業などに近い人にインタビューして、意見を収集することもひとつの方法です。
また、Webサイトの口コミやSNSなど、インターネット上で公開されている情報を活用する方法もあります。
③自社の強みを考える
ステップ②でペルソナが抱えている悩みをリサーチした後には、その悩みに対する自社商品・サービスの強みをリストアップしましょう。
▼例:化粧水
自社の強み | |
価格 | 安い |
容量 | 多い |
成分 | 他社製品に配合されていない◯◯が配合されている |
肌への浸透率 | 高い |
ボトルデザイン | 有名デザイナー◯◯による個性的なデザイン |
競合他社と比較すると、自社の優れている点を見つけやすくなります。
また、自社の強みだけではなく、弱みもリストアップすることが重要です。
弱みをポジティブな視点から強みへと変化できれば、自社のアピールポイントとして訴求できます。
④求めているものと強みをかけ合わせる
①〜③のステップを踏んだ後は、ペルソナが求めていることと、自社の強みをかけ合わせましょう。
自社の商品・サービスの強みがペルソナの求めに対して、どのように作用するのかを軸として考えてキャッチコピーを展開していくと、スムーズに作成しやすくなります。
▼キャッチコピーの作成例
ペルソナが求めていること:「肌の乾燥が気になるけれど、高い化粧品を買う余裕はない」
✖️
自社の強み:「高浸透率で、大容量かつ低価格。◯◯成分配合」
↓
お肌の乾燥が気になる季節。 ◯◯成分配合の高浸透率化粧水を毎日たっぷり使って、潤いケア
キャッチコピーをより良くするコツ
キャッチコピーをより洗練された表現に、またターゲットに刺さるように作成するコツを紹介します。
以下のコツを使って、より印象深いキャッチコピーを作りましょう。
逆説を使う
逆説とは、一般論と逆のことを述べつつも、実は物事の真理をついている言葉を指します。
有名なことわざで言えば、「急がば回れ」「負けるが勝ち」などが挙げられます。
逆説をキャッチコピーに使用することで、ターゲットの目を止めて、その先に何があるのかと好奇心をくすぐる効果が期待できます。
インパクトの強さから、商品へのイメージを促す作用もあります。
疑問形を使う
疑問文には、相手に答えを考えさせる効果があります。
キャッチコピーを通じて疑問を投げかけることで、顧客が「自分のことだ!」という当事者意識を持ちやすく、共感を得やすくなります。
Web広告バナーのキャッチコピーとして活用すると、疑問形の文章に対する答えが気になって、クリック率を高められる可能性もあります。
キャッチコピーを強調する
キャッチコピーに差し込むことで、よりインパクトを強くさせるフレーズがあります。
▼主なパワーフレーズ
- しらなきゃ損
- 限定◯◯名まで
- 〜だけではだめ
- たった〜
上記のほかにも、さまざまなパワーフレーズがあります。
このような強調表現を取り入れつつ、顧客の心に響くフレーズを探しましょう。
限定感を強調する
キャッチコピーに限定感のあるフレーズを盛り込むことで、顧客の購買意欲を高められます。
なぜなら「限定」と聞くと希少性が高まり、顧客が「今買わないと買えなくなってしまう」という焦燥感に駆られてしまうためです。
▼「限定」を表すフレーズ
- 期間限定
- 数量限定
- 限定◯◯名まで
限定感を出す場合は、「今商品やサービスが必要な人」を顧客像に設定して、今買うことに対するベネフィットをしっかり伝えることが重要です。
リズム感を意識する
キャッチコピーには、「リズム感」を意識しましょう。
キャッチコピーを見た瞬間に思わず口に出したくなるようなリズムの良さがあれば、深く印象付けられます。
キャッチコピーにリズム感を出すコツは、以下のとおりです。
▼リズム感を出すコツ
- 20文字程度にする
- 韻を踏む
擬音や擬態語を取り入れる
キャッチコピーに「オノマトペ」と呼ばれる擬音や擬態語を取り入れてみましょう。
たとえば、「ほくほくのジャガイモ」と表現すれば美味しさが伝わりやすくなります。
上記のように、オノマトペは商品・サービスをイメージさせやすくする効果があります。
口コミやレビューを分析する
既存顧客の口コミやレビューを分析することも、キャッチコピーの作成に役立ちます。
分析によって、改めて顧客目線での自社の商品・サービスの魅力を理解できるようになります。
また、顧客のニーズを深く理解することで、悩みや課題に共感を生むフレーズや、ベネフィットが伝わる表現を考案しやすくなります。
印象に残るキャッチコピーを作ろう
キャッチコピーの作成には、さまざまなテクニックや手法があります。
共通するポイントは、簡潔に短く、ターゲットに刺さる表現を使用することです。
自社の商品・サービスを全体的にカバーするキャッチコピーではなく、伝えたいことを1点に絞り、端的に良さを伝えましょう。
今回紹介したさまざまなテクニックを活用して、「売れるキャッチコピー」を作成していただければと思います。