D2Cのアフィリエイト戦略|CVを最大化する上で抑えておくべきポイント

D2Cアフィリエイト戦略

アフィリエイトの仕組みを使って販促を拡大するために、具体的に何をすればよいのか分からない…

これは、私自身が前職で化粧品会社のアフィリエイト担当をしていた際に感じていた悩みです。

当時の私と同じような悩みを持つアフィリエイト担当者の道しるべになればと思い、筆を取ることにしました。

正直、大手D2Cの企業でも、アフィリエイト広告についての理解が乏しく、代理店やメディア・アフィリエイターに食い物にされている (適性な価格で提供されていない) ケースが多々見受けられます。

この記事では、D2C事業を展開している企業が、アフィリエイトという仕組みを使って販促を拡大するために必要な知識を、分かりやすく解説します。

この記事を読んでもらいたい方
  • D2C企業に従事しているアフィリエイト担当者の方
  • 自社の売上が低迷しており、新たな販促方法を模索している方
  • 自身がアフィリエイターで、広告主目線から見たアフィリエイトを知りたい方
この記事を読んで得られるメリット
  • アフィリエイト広告の種類別の特徴・メリット・デメリットを理解できる
  • アフィリエイト広告を行う上で、必要な概念を理解できる
  • 明日からの具体的なアクションプランを明確になる

1点、この記事を閲覧いただく上で注意していただきたいことがあります。

それは、アフィリエイト広告は使い方を間違えると、顧客に間違った誤解を与えてしまったり、自社のブランディングを大きく棄損してしまう、センシティブな販促方法です。

企業のアフィリエイト担当者のモラルが欠如していると、顧客を裏切ってしまったり、大きなトラブルに発展してしまうこともあります。
顧客の良心を踏みにじることのないよう、上記を肝に銘じた上で閲覧してください!

アフィリエイト施策によるCVを最大化するために、日々の業務で得た知見をこの記事に詰め込みましたので、最後までご覧いただけますと幸いです。

目次
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アフィリエイト広告の仕組み

まずはアフィリエイト広告の仕組みについて、簡単に説明します。

アフィリエイトとは、メディア (ブログ) やSNSなどで 広告主の商品を宣伝し、そのページを見たユーザーがCV (購買) に至った場合、そのCV数に応じた報酬がアフィリエイターに支払われる、インターネット広告の仕組みを指します。

つまり、第三者が紹介をして商品が売れると、紹介者に利益が入るというビジネスモデルです。

最近は、『本当に良いものを紹介する』といった本質から反したアフィリエイトでの販促方法に、意義を唱える人も多くなっています。

ですので、アフィリエイト広告で集客をする際には、顧客の信頼を失わないよう、アフィリエイターの管理などには細心の注意を払う必要があります。

アフィリエイトの仕組みを理解する上で、4つの登場人物が出てきますので、まずは各登場人物の関係性を把握しましょう。

  • 広告主
  • ASP (アフィリエイト仲介業者)
  • 顧客
  • アフィリエイター & メディア
アフィリエイター

商品を売りたい『広告主』に、『顧客』を送客する役割を担っています。
ただし、世の中にごまんといるアフィリエイターの方が企業と個々に契約を結ぶのは現実的ではないため、『ASP』という仲介業者を介して、広告主と契約を結びます。

アフィリエイターは、個人の方以外にも、企業 (メディア) が事業として取り組んでいるケースも多くあります。
(例)『マイベスト』『引っ越し侍』など

ASP

アフィリエイト サービス プロバイダーの略。
広告主』と『アフィリエイター』の仲介業務を行っています。
アフィリエイト広告を一括で管理する独自のシステムを持っており、そのシステムを用いて成果発生の計測をします。

よく聞かれる質問として、「取り扱うASPは多ければ多いほど良いですか?」というものが挙げられますが、ASPの数を増やしても、そこまでCV数へのインパクトは大きくないので、登録するASPは1~2社程度で問題ありません。

まずはオープン型のASP (A8.netJANet など) に最低1社以上は登録をして、誰でもアフィリエイトで商品の紹介ができるようにしましょう。

さらに、クローズド型のASPとの繋がりを持っておくこともオススメします。
(大手ASPから独立をしてアフィリエイト事業を行っている小規模ASP)

クローズド型のASPと繋がっておくことで、スタートアップのD2C企業の場合、

  • テスト的にアフィリエイトを行うことができる
  • 月額のランニングコストを抑えてアフィリエイトを行うことができる

…というメリットがあります。

アフィリエイト広告の種類別の特徴・戦略

アフィリエイト広告は、4つに大別されます。
ここからは、種類ごとの特徴や、CVを伸ばしていくための戦略について解説します。

  1. アドアフィリエイト
  2. SEOアフィリエイト
  3. インフルエンサーアフィリエイト
  4. SNSアフィリエイト

❶ アドアフィリエイト

アドアフィリエイトとは、アフィリエイター側が身銭を切って広告を回し、集客をする手法を指します。

下記のようにGoogleで検索を行った際に、広告枠として表示されます。
このような広告面に対して、アフィリエイターが広告を出稿します。

「青汁」で検索した際の広告枠

・アフィリエイター側が身銭を切って広告を回すため、広告主側にはCPA (顧客獲得単価) 高騰などの金銭的なリスクが無い
・実質無限にリーチを伸ばすことができる
・広告を閲覧した顧客が増え、リターゲティング広告による施策を打ちやすくなる
指名検索が増え、サイト訪問者数が増加する

広告主の意図に反した訴求が行われたり、根拠に基づかない内容が顧客に伝わってしまう可能性がある
・他に良い案件が出てきた場合、アフィリエイターが今取り組んでいる案件の広告を停止して、他の商材に乗り換えてしまう可能性がある

アドアフィリエイトは、爆発的にCV数を伸ばしていくためには欠かせないアフィリエイト手法になります。

通常、アフィリエイターが個人ブログやSNSを通して、顧客に対して商品を紹介するのは限界があります。

それに比べて、 アドアフィリエイトは身銭を切ることで実質無限にリーチを伸ばすことができる可能性を秘めています。

アフィリエイトの件数を大幅に伸ばしていくためには、アドアフィリエイトに注力することが近道で、とりわけ化粧品・健康食品・サプリメントなどは、アドアフィリエイトでCVの最大化を行っているケースが多く見受けられます。

ただその反面、デメリットも大きいことを認識しておく必要があります。

アドアフィリエイトのデメリットとして、広告主の意図に反した訴求が行われたり、根拠に基づかない内容が顧客に伝わってしまうことが挙げられます。

また、 アドアフィリエイトを回しているアフィリエイターは常に利益を出せるアフィリエイト商材を探しているため、他に良い案件が出てきた場合、今取り組んでいる案件の広告を停止させて、他の商材に乗り換えるということが多々あります。

たとえ、今月に1万CVが発生していたとしても、翌月からいきなりCVが激減するということもありえます。

アドアフィリエイトを使った顧客獲得戦略としては、入稿URL (アフィリエイトサイトのLPのURL) や、商品の訴求などをしっかり管理することが重要です。

アフィリエイターにすべてを委ねて確認を怠ってしまうと、思わぬトラブルが発生してしまう可能性が増えるため、アフィリエイターの動向を常に管理できるような体制を徹底しましょう。

ただし、あまりに厳しく管理してしまうと、アフィリエイター側にとっては『美味しくない案件・めんどくさい案件』となってしまうため、バランスが大切です。

❷ SEOアフィリエイト

SEOアフィリエイトとは、ブログなどのWebサイトで集客をして、アフィリエイトの成果に繋げる手法を指します。

・アドアフィリエイトに比べると、安定したCVの獲得が見込める
・ブログなどのWebサイトに掲載してもらうことで、自然と被リンクを獲得することができ、自社サイトのドメイン評価の向上に寄与する
・自社サイトでの対策が難しい、ネガティブキーワードの対策ができる
・自社サイトでの作成が難しい、他社との比較記事の対策ができる

・すべてのアフィリエイトサイトに掲載してある内容に目を通すことは実質不可能

SEOアフィリエイトは、継続的なCV数を獲得するために、優先的に実施していきたい手法になります。

前述のアドアフィリエイトの場合は、アフィリエイターの方が身銭を切って広告を出すため、突然広告出稿が止まるケースが多く、安定性に欠けるというデメリットがありますが、SEOアフィリエイトの場合、安定的なCVの獲得が見込めます。

アフィリエイター側からみても、一度集客するための記事を書いてアップロードしてしまえば、自動的にGoogleが顧客を連れてきてくれるため、サイトの閉鎖をしない限り、継続して広告を掲載してもらえることが多いです。

もちろん、掲載順位の下落によってCV数が減少することはありますが、 アドアフィリエイトに比べると安定しています。

デメリットとしては、多数のアフィリエイターが紹介することで、すべてのアフィリエイトサイトに掲載してある内容に目を通すことは実質不可能だということです。

ただし、アドアフィリエイトとは異なり、アフィリエイトブログに書いてある内容は、いちユーザーの意見として捉えられることが多く、トラブルになるケースはそこまで多くありません。

  • アドアフィの場合は、広告主自体が直接広告を出稿しているように見えるため、いくらアフィリエイターの方が広告を出稿していたとしても、批判は広告主に届きます

SEOアフィリエイトの戦略として、大手メディアにSEOアフィリエイトを依頼する際、オープン型のASPを通すと、手数料をガッツリ持っていかれますが、クローズド型のASPの場合は、手数料の交渉をすることが可能です。

SEOアフィの場合、基本的に指名検索のテールワードを狙っていくアフィリエイターが多いですが、自然検索チャネルからの集客が強い大手メディアに依頼することで、顧客獲得の幅を広げることが可能です。

指名検索のキーワード例「ジェネ化粧品 おすすめ」
「ジェネ化粧品 効果」
「ジェネ化粧品 口コミ」など
比較系のキーワード例「美容液 ランキング」
「美容液 おすすめ」など
情報収集系・
問題解決系のキーワード例
「乳液 使い方」
「化粧水 手順」など

例えば、化粧品業界でいうと『美的.com』や『マイベスト』などへの掲載です。
キーワードごとに成果単価の交渉を行う必要があり、相場を理解していない状態で交渉するとカモにされてしまうため、注意が必要です。

❸ インフルエンサーアフィリエイト

インフルエンサーアフィリエイトとは、InstagramやTwitterなどで活躍するインフルエンサーの方々に依頼をして、商品を紹介してもらう手法です。

UGCが発生することで、レバレッジを効かせることができ、投稿の拡散が見込める
キャンペーンなどと併用して実施することで、多くのCVを獲得することが可能です。
・インフルエンサーが撮影した写真を二次利用し、LPやバナーなどの素材として活用できる

・ 実施するインフルエンサーによって大きく成果が異なるため、インフルエンサーの選定を間違えると、全くCVに繋がらない (インフルエンサーの目利きが重要)

インフルエンサーアフィリエイトの実施方法は2種類あり、

  • 成果報酬型:CV数 × 成果単価でお支払い
  • 固定報酬型:あらかじめ相談の上、確定した金額をお支払い

実力のあるインフルエンサーは、成果単価での実施を臨むケースが多く、1投稿でとんでもない金額を稼ぐ人もいます。

前職で最もインパクトが大きかったのは、Instagramを主戦場にしているインフルエンサーの方で、1投稿で約400CVを獲得して、成果報酬として300万円近くお支払いしたことがあります。(※代理店手数料含む)

インフルエンサーを選定する上で、エンゲージメントが高いほどフォロワーのファン度が強く、その中でも、漫画家のインフルエンサーがおすすめです。

通常、インスタグラマーのエンゲージメント率は1~3%程度ですが、漫画家の場合はエンゲージメント率が20%を超えることもざらにあります。

  • 一般的に、フォロワー数が増えるほどエンゲージメントは下がる傾向にあります

インフルエンサーアフィリエイトは、スポットで実施するケースが多く、継続的に獲得を見込むような施策ではありませんが、キャンペーンなどと併用して実施することで、多くのCVを獲得することが可能です。

❹ SNSアフィリエイト

SNSアフィリエイトとは、SNSを活用してアフィリエイト収益を得る手法です。

個人アフィリエイターがSNS (InstagramやTwitter) を活用して行うケースが多く、企業が事業として取り組んでいるケースはほぼ無いです。

肌感として、2019年~2021年にかけて大幅に増えてきた印象があります。

前述したインフルエンサーアフィとの違い

インフルエンサーアフィ:代理店を通して成果報酬を得る
SNSアフィ:アフィリエイター自らが、ASPから案件を選定して行う

SEOアフィリエイトと同様、アフィリエイターはオープン型のASPを通してSNSアフィリエイトを行っているため、ASPは1~2社程度登録しておくことをおすすめします。

  • Amazonアソシエイトを除き、基本的にはTwitterに直でアフィリンクは貼れないため、アフィリエイターがSNSアフィを行う場合は、『Twitter→ブログに飛ばす→CV』という流れでアフィリエイトを実施します。

SNSアフィリエイトでの取り組みを増やしていくためには、アフィリエイターへの地道な声掛けや、アフィリエイターコミュニティでのアナウンスなどが有効的です。


ここまでで、各アフィリエイト広告の、種類ごとの特徴・戦略についてお話しました。
次の章からは、アフィリエイトを行っていく上で理解しておくべき重要な概念について、お伝えします。

アフィリエイトの『通常単価』と『特別単価』

アフィリエイター側にとって当たり前の概念ですが、多くの企業のアフィリエイト担当者は、『通常単価』と『特別単価』の重要性について、あまり理解していません。

まずは、アフィリエイターが紹介する商品を選定する際に、何を基準に選ぶかを考える必要があります。

大きく分けて、3つの判断基準があり、

  • 収益性
  • 商品力
  • 実施難易度

この中でも、最も重要な基準は『収益性』です。

「この商品を紹介したら儲かるのか?」という点が、アフィリエイターが重要視しているポイントになります。

アフィリエイトビジネスの本来の姿は、『自分が使用して良いと思った商品を他人にも勧める』ことですが、現実はそう上手くはいきません…。

実情として、収益性が高い商品がアフィリエイターに選ばれる傾向があります。

下記のようが商品Aと商品Bがあった場合、アフィリエイターに選ばれやすいのは商品Aです。

商品A商品B
通常単価500円2,000円
特別単価8,000円3,000円

最終的な収益が最大化できる商品が選ばれやすいので、通常単価と特別単価の金額設定は慎重に行いましょう。
もちろん、特別単価の条件によっては、商品Bが選ばれやすいこともあります。

実力に自信が無いアフィリエイターは商品Bを選びますが、実力のあるアフィリエイターほど、特別単価ベースで案件を選定するため、特別単価の金額設定が重要となります。

アフィリエイター または 法人メディアとの、個別の特別単価交渉金額設計については、後ほど詳しく解説します。

アフィリエイターに好かれる広告主

アフィリエイターに好かれる広告主になってください!

これは、D2C企業のアフィリエイト担当者に、声を大にして言いたいことのひとつです。
巷にはアフィリエイトできる案件がごまんとあるため、その中から自社商品を選んでいただくという心持ちが必要です。

アフィリエイターに好かれる広告主の特徴を、下記にまとめました。

アフィリエイトの透明性が高いこと

募集要項を読んだときに、疑問点・不明点が無い状態。

特別単価が明確に定められていること

何件獲得すれば特別単価が出るのか明記されている状態。

承認率が高い or 全承認であること

承認率が低い案件は、アフィリエイターに敬遠されるため、承認率を高めに設定する。

即金性が高いこと

成果確定までの期間が短い方が良い。

対応が丁寧で、レスポンスが早いこと

広告主の対応が遅いと、アフィリエイターが離れていきやすい。

基本的に、アフィリエイター ⇔ ASP ⇔ 代理店 ⇔ 広告主の順に伝達される。
そのため、レスポンスが遅くならないよう注意が必要。

アフィリエイターへの提供素材が豊富なこと

静止画の他に、動画素材や訴求文など、素材は多いほうが良い。

訴求できる自由度が高いこと

細かいルールが多すぎると、アフィリエイターの参入障壁が高くなってしまう。

アフィリエイターの手間を省いてあげること

キーワード選定や素材ダウンロードページなどを用意する。


ただ何となくASPに登録しておくだけでは、他の案件と差別化できず、確実に埋もれてしまうため、自社の商品が上記の項目が当てはまっているか否か、確認してみてください。

『LTV』と『限界CPA』の関係性

アフィリエイトだけに限らず、D2Cでマーケティングを行う上で必ず覚えておかなければいけない概念は、『LTV』と『限界CPA』です。

LTVとは

Life Time Value (顧客生涯価値) のことで、顧客が特定の企業から購買をしてから、その後購買が終わるまでの金額の総額を算出したものを指します。

限界CPAとは

1件のCVを獲得するために、最大でかけられる費用のことを指します。

あなたは、

  • 自社商品のLTV
  • アフィリエイトのみに絞った自社商品のLTV

がいくらなのか、パッと答えられますか?

例えば、Amazonのようなプラットフォームで購買されたときは、購買したユーザーの顧客情報を得ることができず、CRM施策などに繋げることができません。

しかしD2Cの場合、自社サイトで購買した顧客に対して、その後にアップセル・クロスセルに繋げることが可能です。

CRM施策とは

Customer Relationship Management の略称で、『顧客関係管理』と訳されます。
顧客との関係性を構築していくための施策のことを指します。

要は、1つの商品がどれくらいの利益を生み出すのかを把握しておけば、アフィリエイト報酬の金額設定を考える上で、判断材料となります。

LTV  限界CPA

アフィリエイト以外でも言えることですが、各チャネル・施策ごとのLTVを把握することで、限界CPAを導き出し、『通常単価』や『特別単価』を決めていく必要があります。

自社のLTVを把握していない場合は、ぜひ一度計測してみることをおすすめします。

LTVの計算方法はさまざまな算出方法がありますが、最も簡易的なものを下記に記載しました。

LTV  顧客の平均購入単価 × 平均購入回数

D2Cの中でも、単品通販で実施している場合は平均購入単価が固定なので、単価に平均購入回数 (回転数) をかけて算出しましょう。

上記は簡単な計算式ですので、細かく分析するに越したことはありません。

商品数が増えると、LTVの計算方法は複雑になります。
そんなときは、下記のようなLTVディシジョンツリーを作成し、属性に合わせてLTVを算出しましょう。

LTVディシジョンツリー

さらに細かく分析するには、RF分析をしましょう。

RF分析シート
RF分析とは

顧客分析の一種で、Recency (最近の購入日)、Frequency (来店頻度) の 2軸で顧客の状態を明確化して分析することを指します。

一般的にはRFM分析が有名ですが、複雑になってしまうため、RF分析がおすすめです。

LTVを向上させるためには

アフィリエイトからのCV数を最大化していくためには、高い成果報酬を設定することが 1つの方法です。

そして、高い成果報酬を設定するためには、LTVを高め、限界CPAを引き上げる必要があります。

つまり、LTVを高めることこそが、(アフィリエイトからの) CVを最大化するためのポイントだということをご認識ください。

LTVを高める方法は、これだ!と一概には言えません。
何故なら、LTVを高めるためには、ブランディング、マーケティング、顧客ナーチャリング (顧客育成) など、さまざまな要因が関わってくるからです。

強いて言うならば、LTVが高い企業の特徴として、カスタマーロイヤリティ (顧客の企業に対する愛着) が高いことが挙げられます。

その企業でしか提供できない価値があり、常に顧客にとって魅力的で、ファン化ができていることが、LTVを高める上で大切な要素です。

前提として、小手先のテクニックではなく、自社のファンを増やす方法を、上流工程から考えていきましょう。

そして、LTVを最大化するためには、下記を意識してください。

  • 購入単価を高める
  • 購入頻度を高める
  • 継続期間を伸ばす

この3つを高め、LTVの最大化に努めていきましょう!

アフィリエイト広告のCVを最大化するための方法

ここまででお伝えしたことをまとめると、

  • 各アフィリエイト広告の種類ごとの特徴を理解し、
  • アフィリエイターに選んでもらえるような環境を用意しつつ、
  • LTVを最大化することが重要

中長期的にみると、アフィリエイトからのCV数を増やしていくためには、LTVを高めることが重要ですが、
即実施するのは難しいため、今すぐ実践できる具体的なアクションを、この章で解説します。

❶ クローズド型のASP経由で、追加でアフィリエイターの募集をかける

クローズド型のASPと繋がっておくと、CVの獲得に繋がりやすいです。
下記のような点で貢献していただけます。

  • 優秀なアフィリエイターの方へのお声がけ
  • インフルエンサーリストの提供
  • テストマーケの実施 …など

クローズド型のASPは、元々は大手ASPに所属していた方が独立したケースが多いため、インターネットやTwitterなどで探してみましょう。

❷ メディアをリストアップして直接交渉する

こちらはSEOアフィリエイトを伸ばしていくための方法です。

SEOアフィリエイトの最大化を目指す際に、オープン型のASPに登録している個人アフィリエイターだけに頼ると、大幅なCVは見込めません。

そのため、SEOアフィリエイトに取り組んでいる法人メディアに連絡をして、アフィリエイト契約を依頼するのが良いでしょう。

自社のD2C商品と親和性の高いキーワードを調査して、Googleスプレッドシート等にまとめ、記事ごと (キーワードごと) に交渉していくことが大切です。

▼下記のようなイメージです

メディアのリストアップ表の一例

絶対にやってはいけないのが、お問い合わせフォームから「アフィリエイトからのCVを増やしたいので、貴社サイトに掲載してもらえないでしょうか?」というメールを送ってしまうことです。

このような方法では、「では貴社用の専用ページを作りましょうか?20万円になります!」と、カモにされてしまいます。

CVを増やすためには、メディアのどの記事に商品が掲載されるかが重要になりますので、記事単位で交渉せずに契約をしてしまうと、大損をしてしまうことも多々あります。

メディアの中でも、

  • PVが多い記事
  • 購買意欲が高いユーザーが検索するキーワードで上位表示されている記事

など、記事ごとに価値が異なるため、どの記事に掲載されるかどうかで、CV数に大きな差が生まれます。

記事の価値の大小の例

シワ 消す方法(一般キーワード)  『ジェネ化粧品 口コミ』(指名検索・商標キーワード)

一般キーワードで上位表示している記事に掲載される場合は、アフィリエイトの成果単価が高くなります。

逆に、指名検索・商標キーワードは成果単価が安くなります。

何度も言いますが、記事ごと (キーワードごと) に成果単価を変えるという点をおさえておかないと、通常よりも高い成果単価で契約を結ばされる可能性もありますので、お気をつけください。

私が過去にアフィリエイトコンサルをさせていただいた大手化粧品会社は、通常の相場よりも5,000円も高い成果単価で契約しており、この部分を改善するだけで、成果インパクトが大きかったです。

実際に掲載いただいたメディアの中でも、記事を作成する過程で、

  • より詳細にインタビューをしていただいたメディア
  • 現地に足を運び、商品の良さを深掘りして、それらの情報を記事に落とし込んでくれるメディア

などは、成果に大きく貢献する傾向があります。

逆に、ネット上に転がっている情報をつぎはぎしただけのコンテンツ (いわゆるコタツ記事) は、CVに繋がらないことが多かったです。

キーワードの選定・交渉の流れについては、下記に記載しておきます。

  1. 自社商品のカテゴリや商品名などのリストを作成
  2. ラッコキーワード (関連キーワード取得ツール) で全サジェストをコピー
  3. Goolgeキーワードプランナーで検索ボリュームを確認
  4. 検索ボリュームの降順で、キーワードのリスト一覧を作成
  5. 各キーワードごとに検索を行い、メディア名など控えておく
  6. 各メディアに連絡・交渉
  • キーワードのリストを作成する際、自社商品のジャンルに絞ってキーワードを選定することをおすすめします。
  • 潜在層へアプローチするようなキーワード (成約までの距離が遠いキーワード) は、CVRが悪い傾向があるため、あまりおすすめできません。
メール営業のテンプレート

【メディア名】
ご担当者様

お世話になります。
●●の●●と申します。

https://exsample.com/

●●を取り扱っているブランドサイトを運営しており、
貴社メディアに掲載されている下記ページを拝見し、ご連絡をさせていただきました。

https://exsample1.com/
https://exsample2.com/

非常に丁寧にまとまっており、ユーザー目線で高品質な記事に感銘を受けました。

ぜひ、私どもが取り扱っております●●を、ご紹介いただけますでしょうか?

【アフィリエイト条件について】
商品:●● (色:ブラック、ホワイト、グレー)
LP:https://exsample.com/lp01/
通常単価:2,000円
特別単価:5,000円 (20件/月以上の獲得)
承認方法:●●のASPシステムにて全承認
承認日:翌月の5営業日以内
支払日:翌月末払い
素材ページ:https://exsample.com/sozai/

【●● 販売実績について】
URL:https://exsample3.com/
PV数:25,640
CV:240
CVR:0.94%
※CVの定義はサンクスページ到達

【過去成果が良い訴求内容】
・●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
・●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
・●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
・●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
・●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●

上記について、少しでも興味を持っていただけましたら
より詳細なお話をさせていただければと思います。

ご連絡お待ちしております。

●●

注意点

魅力的なサイトの運営者には、上記のような営業メールが頻繁に届いていることが予想されているため、
テンプレをコピペして使いまわしている感が伝わらないよう、注意が必要です。

  • サイト名が間違っている
  • サイトURLが間違っている

といったミスがあると、メディア側からすると不快な気持ちになりますので、十分に留意してください。

交渉時の確認事項
どの記事にどのように商品を掲載してほしいかを明確にする

どの記事に掲載するかによって、適切な成果単価が変わってきますので、まずはここの部分を必ず明確にしておく必要があります。

対象ページからのクリック数 & CVの発生はどのような状況かを確認する

既存商品から自社D2C商品に切り替えることで、メディアの最終的な収支は上がるのか?という点が、メディア・アフィリエイターが気にする部分です。

成果単価はいくらでお願いするかを議論する

状況を確認しながら成果単価を調整することが重要なので、上限成果単価をあらかじめ決めておいてから、交渉を始めましょう。

CVの定義と計測方法について伝える

承認率・承認方法、支払サイトについても確認しておきましょう。

依頼する記事以外に、サイト上で横展開できる記事があるかを確認する

規模が大きいメディアの場合、こちらから提示した記事以外にも、掲載できる記事がある可能性が高いため、ヒアリングしておきましょう。

計画無しで交渉に入ってしまうと、成果単価が高い金額で吊り上がってしまう可能性があるため、気をつけましょう。

❸ アフィリエイター勉強会に登壇 or コミュニティ経由で依頼

地道な努力が必要ですが、アフィリエイター向けの勉強会で、広告主の立場として商品をPRしたり、アフィリエイトコミュニティにて商品の宣伝をするのも一つの方法です。

ただし、商品そのものが素晴らしく、成果単価もある程度高いことが前提となります。

アフィリエイターが使いたくなる広告素材とモデル選定

アフィリエイターに自社商品を選んでもらうためには、広告素材を充実させておくことが大切です。

例えば、商品の素材が10枚&商品の特徴のみが記載されている程度では、誰もあなたの会社の商品を優先的に紹介しようとは思いません。

下記のようなものを用意することで、他社と差をつけ、圧倒的に選ばれやすくなるでしょう。(※D2C化粧品を想定)

  • 訴求ポイント(特徴や強みを図式化・受賞歴・掲載歴など) こだわりぬいた素材、懸念される悪質な成分が入っていないことなども分かるとよい
  • 使用感が分かる画像、手に取って伸ばした画像、手元に届いた画像
  • 使い方、お手入れ動画
  • 多様なクチコミ (年齢・名前・画像・使用歴 があるとGood)
  • よくあるQ&A問答 (商品ごと)
  • 実際の店舗の様子や、お客様が商品を試している状況の画像
  • お客様との懇親会の様子
  • 商品ページへ遷移するバナー

これらの素材や訴求内容などをまとめたものを、『素材ダウンロードページ』として、Web上に用意しておきましょう。

アフィリエイターとスムーズなやり取りを行うことができ、コミュニケーションコストを削減できます。

アフィリエイターに商品を紹介していただく上で、後々トラブルにならないよう、レギュレーションもしっかりと作成しておくことが望ましいです。

次に、アフィリエイトの素材で必要となる、モデル選定のポイントを、下記に記載します。

  • キャスティング会社を通さない
  • C2Cプラットフォームを使うこと
  • 1年更新で、画像の二次利用はすべての媒体で可とする

今の時代、モデルと広告主をマッチングできるプラットフォームがありますので、キャスティング会社を通さずとも、プラットフォームからモデルへ撮影依頼をすることができます。

おすすめプラットフォームは、

CLOUDCASTING (クラウドキャスティング)

日本最大級のタレント・キャスティングのプラットフォーム

EC CASTING (ECキャスティング)

企業とインフルエンサーを繋ぐ、サブスクリプション型のキャスティングサービス

キャスティング会社を通すと高額になってしまうモデル費用も、プラットフォームを利用することで、5分の1以下に費用を抑えることができますので、ぜひチェックしてみてください。

アフィリエイト広告のPDCAの回し方

最後に、アフィリエイト広告のPDCAの回し方について解説します。

ここの部分は非常に泥臭いですが、各メディア・アフィリエイターごとに、細かく効果計測をすることに尽きます。

アフィリエイターごとのCV数と成果単価一覧

まず、各メディア・アフィリエイターごとに、

  • CV数はどれくらい獲得できているか
  • 成果単価がいくらだったか

を把握します。

その上で、

  • その後どれくらいの顧客が継続して購入してくれたか?

までチェックをして、効果計測を行います。

アフィリエイターごとの引き上げ率やLTVまとめ

ひたすら効果計測を行い、費用対効果の高いアフィリエイターを見極めていく流れになります。

SEOアフィの場合は、想定CVRを計算して、今後アフィリエイトを依頼するメディアの選定に活かしていきましょう。

CVRを計測する手順については、下記の通りです。

CVRを計測する手順
  1. Ahrefs (有料ツール) で、各記事ごとのPV数を確認
  2. GoogleAnalyticsで、CV (目標) 数を計測
  3. CV数 ÷ 記事ごとのPV数 = CVR を計測
  • Ahrefsの数値はあくまで想定PV数のため、実際の数値と乖離している可能性があります。PV数の実数について、各メディアに共有いただける場合は、そのデータを元に解析を行いましょう。

もちろん、アフィリエイターのサイトだけPDCAを回していくわけではなく、下記のような販促方法についても試し、最適なものを見つけていく必要があります。

違う訴求文のLPを作成

アフィリエイターの訴求に合わせたLP、アプローチ方法を変えたLP

サンクスページ施策

購買時が最もアップセル・クロスセルしやすいため

販売方法を変える

無料トライアル or 定期選択

仮予約定期 (トライアル申込時に、定期の仮予約も行う)

1step定期 (いきなり定期)

モニター・アンバサダー募集キャンペーン …など

まとめ

この記事では、これまでアフィリエイト広告のCVを最大化させてきた私が、日々の業務で得た知見を詰め込みました。

D2Cのアフィリエイト担当の方は、売上を伸ばしていくために、誰に相談すればいいのか迷っているケースも多いかと思います。
この記事が、そんな方の道しるべになりましたら幸いです。

アフィリエイト広告は、素晴らしい商品を、より多くの人に伝えることが理想ではありますが、商品を売ることばかりに目がいってしまい、悪質な訴求がはびこっている業界でもあります。

『広告主』『顧客』『アフィリエイター』『ASP』全員が幸せになるよう、モラルを守ってアフィリエイトに携わる方が増えれることを願うばかりです。

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