D2C事業でこれから売上を拡大していきたい方にとって、WEB広告は有効な集客方法となります。
今回は、D2Cで売上拡大を行なうためにWEB広告を配信するメリットとデメリットや、数あるWEB広告のメニューから効率よく売上や利益を増やしていくために重要となるポイントなどを解説します。
WEB広告についての理解を深めておくことで、少ないコストでも効率よく売上拡大出来る可能性が高くなり、WEB広告の配信で失敗してしまうリスクを小さくすることが出来ます。
この記事では、WEB広告を使った集客を検討している方へ、
- WEB広告を使うメリットとデメリット
- 代表的なWEB広告の内容と特徴
- WEB広告のメニューを選ぶために決めておくべきポイント
について解説します。
WEB広告とは
WEB広告とは、WEB上の検索結果やサイトページ、またSNSなどに配信することが出来る広告メニューです。
現在はスマートフォンやタブレットも広く普及しているため、従来のテレビ広告や新聞広告などのオフライン広告だけでなく、WEB広告を使ってユーザーにアプローチする重要度が高くなっています。
実際に、WEB広告への出稿金額は年々増加しており、2019年には2兆円を突破し、テレビなどのオフライン広告への出稿金額を超えています。
各企業が広告費を投下している媒体の変化からも、WEB広告が重要となっている事実を知ることが出来ます。
さらにWEB広告に関するテクノロジーは進化し続けており、これまでよりも『ユーザー1人1人に合わせて、求められている情報を届けること』が叶えやすくなっています。
テクノロジーの進化も、WEB広告の急速な発展の背景になっていると言えるでしょう。
WEB広告のメリット
WEB広告では、様々な媒体で広告を配信することができ、各媒体で設定することが出来るターゲティングメニューもまた様々です。
ここではWEB広告を配信できる各広告媒体についての詳細ではなく、複数の広告媒体に当てはまる『共通のメリット』について解説します。
WEB広告の代表的なメリットは、次の3つです。
- ターゲティングすることができる
- 売上に対して即効性がある
- 効果計測によって『商品を求めているユーザー』への理解が高まる
1つずつ解説します。
メリット①:ターゲティングをすることができる
WEB広告では、WEB上の様々な情報を使うことで、『商品を購入してくれる可能性が高いユーザー』をターゲティングすることが可能です。
例えば、40代の女性がメインターゲットとなる商品を宣伝する場合、テレビ広告や新聞広告でターゲティングをすることは難しいですが、WEB広告であれば40代の女性という属性をターゲティングすることが出来るメニューがあります。
WEB広告では、商品に興味を持ってもらえる可能性の高いユーザーに絞って広告を配信する事ができるため、高い費用対効果で集客を行えるという特徴があります。
また、ユーザーの年齢や性別だけでなく、WEB上で閲覧しているサイトの種類や検索しているキーワードなどから『ユーザーの興味関心』を予測したデータをもとにターゲティングすることもできるため、『自社の商品に魅力を感じてくれそうな悩みや問題を抱えているユーザー』に絞ったターゲティングを行うことも可能です。
ターゲティング機能を上手く活用することが出来れば、商品を購入してくれる可能性の高いユーザーへ集中的に費用を投下することも可能です。
大企業が行なう予算規模の大きな広告プロモーションとは異なり、少額でも効率よく売上拡大を行っていく必要があるD2Cにとっては、『自社の商品を求めるユーザーへ高い精度でターゲティングできる』というWEB広告の特徴は、大きなメリットとなります。
メリット②:売上に対して即効性がある
オフラインで商品を販売する場合、販売チャネルの確保など、販売を開始するまでの準備に時間やコストがかかります。
またオンラインの集客方法の中でも、SEOやSNSを使った情報発信は(情報の発信そのものに対して)費用が発生しないメリットがありますが、売上などの成果が出るまでに一定の時間がかかります。
一方で、WEB広告は配信を開始した直後から売上を獲得出来る可能性があります。
広告配信自体に費用はかかりますが、売上などの成果に対して即効性があり、『成果を得るまでの時間が短い』というメリットがあります。
ユーザーのニーズは常に変化しているため、『売上獲得の機会』を逃さないためにも、成果への即効性がある点はメリットになります。
メリット③:効果測定により『商品を求めているユーザー』への理解が高まる
WEB広告では、『配信実績を使った効果測定と分析』が可能です。
効果測定を行なうことによって、例えば次のようなことを知ることが出来ます。
- どんな属性を持ったユーザーが広告に反応しているのか?
- どんなニーズを持ったユーザーが商品を購入しているのか?
- ターゲットとするユーザーに商品を購入してもらうための課題は何か?
購入ユーザーの年齢や性別などのデータは、WEB広告を配信しなくても収集することが出来ますが、『購入者が自社の商品を選んでくれた理由(例 興味を持ったポイント)』『どんなニーズを持ってサイトを訪れたのか?』などは、購入者にアンケートを取らないと知ることが難しい情報です。
しかし、WEB広告の配信実績を分析することで、このようなデータを簡易的に集めることが可能です。
例えば、広告のクリック率を分析することで『ユーザーから反応が良い商品のアピールポイント』を発見できたり、商品を購入したユーザーがサイトを訪れた時に検索したキーワード情報を使って『ユーザーのニーズや悩み』をイメージすることが出来ます。
『購入してくれそうなユーザーのニーズ』や『自社の商品に対して興味を持ってくれた理由』を知ることで、より具体的にターゲットをイメージすることが出来るようになり、クリエイティブやサイト内でのコミュニケーションの改善に活かす事が出来ます。
現在はWEB上に同じような商品が溢れているため、情報収集を行なって『自社の商品を購入してもらえる可能性が高いユーザー』をより具体的にイメージすることがとても大切です。
WEB広告の配信によって集めたデータを上手く活用すれば、中長期的に売上拡大するために有益な情報を集めることが可能です。
WEB広告のデメリット
WEB広告で効率よく売上拡大を行なうために、デメリットについても抑えておきましょう。
WEB広告の代表的なデメリットは、次の2つです。
- 広告媒体の選定には知識が必要
- 競合状況が激しく変化する
1つずつ解説します。
デメリット①:広告媒体の選定には予備知識が必要
WEB広告の各広告媒体で設定することの出来るターゲティングメニューや、各媒体を利用しているユーザーが『その媒体を使用している目的』を理解しておくことは、WEB広告で集客を行なう上では重要な予備知識となります。
WEB広告の媒体では、それぞれの媒体ごとに得意不得意があります。
例えば、リスティング広告ではGoogleやYahoo!を使って『検索によって情報を集めたい』というユーザーが広告配信の対象となります。
よってユーザー自ら検索を行って情報収集をしたいと思っているタイミングで広告を配信することが出来るため、ユーザーの情報感度が非常に高く、高い費用対効果が期待できます。
一方で、アプローチできるターゲットボリュームは少なく、またTwitterなどのソーシャルメディアが持つ『拡散力』は弱い傾向にあります。
さらに同じ広告メニューであっても、媒体ごとにターゲティングすることが出来るメニューに差があります。
リスティング広告であれば、Google広告は年齢に対するターゲティングが可能ですが、Yahoo!広告では年齢に対するターゲティングが出来ないなどの差もあります。
このように数多くのWEB広告の媒体から売上拡大のために有効な媒体を選ぶためには、『媒体ごとの得意なこと不得意なこと、設定可能なターゲティングメニュー』などの予備知識が必要です。
予備知識を持たずに、「流行りの媒体だから。」などの理由で広告媒体を選んでしまうと、成果が出ない可能性が高いため注意が必要です。
デメリット②:競合状況が激しく変化する
WEB広告はコストさえ支払えば、どんな企業・個人でもすぐに広告を配信することが出来ます。
よって、WEB広告の競合状況の変化は非常に激しくなっています。
WEB広告で集客を行っている場合はこの激しい変化に対して、素早く気づき、そして速やかに適切な対応を取る必要があります。
しかしデータの変化に気付くためには、広告実績に関するレポーティングのスキルや、成果の変化を適切に因数分解するといった運用スキルが必要になります。
WEB広告の運用スキルなどが乏しい場合、競合状況の変化への対応が遅れて売上の機会損失が起こったり、成果の悪化となっている原因にいつまでも気付くことが出来ず、最終的にはWEB広告の配信を停止してしまう等のリスクが発生します。
変化が激しいからこそ、変化を可視化し、適切な対応を取るための運用スキルが重要になると抑えておきましょう。
WEB広告におけるターゲット層
WEB広告におけるターゲット層を考える際、『潜在層』と『顕在層』という言葉がよく使用されます。
自身が持つニーズを明確に把握していないユーザー層を指します。
自身のニーズを (潜在層よりも) 明確に把握できており、情報や商品を購入するために何かしらの行動をとっているユーザー層を指します。
例えば、商品を購入する時にメリットやデメリットについて調べたり、たくさんの商品を比較検討をしているようなユーザーは顕在層と定義することができます。
WEB広告を始める際は、まずは顕在層から順に広告を配信し、徐々に潜在層を対象とした広告を配信することをおすすめします。
自身で検索を行って情報収集しているユーザーや、過去に自社サイトを訪れたことのあるユーザーは、広告でのアプローチに反応する可能性が高いため、ターゲティングして広告を配信することで高い費用対効果で売上を獲得することが出来ます。
WEB広告開始時は、少額の予算で着実に売上を増やし、売上と利益の基盤を作っていくことが重要になるため、費用対効果の期待値が高い顕在層を対象とした広告の配信に注力することをおすすめします。
ただし顕在層は費用対効果が高いというメリットがある一方で、潜在層と比べて広告の配信対象となるユーザー数が少ないため、売上獲得のポテンシャルが小さいというデメリットもあります。
よって顕在層から効率よく売上獲得が行えた後は、徐々に潜在層のターゲットへ広告の配信を行い、売上ポテンシャルを拡大していくことが大切です。
より多くのユーザーに商品への興味を持ってもらうことが出来れば、さらに大きな売上と利益が期待できます。
売上拡大を行なうためにも、下記の潜在層へのアプローチのポイントなどを合わせて学んでおくと良いでしょう。
WEB広告の種類と費用相場
このトピックでは、各広告媒体の特徴、開始時に必要となるコストについて解説します。
解説する広告メニューは、下記の4つです。
- リスティング広告
- ディスプレイ広告
- ソーシャル広告 (SNS広告)
- アフィリエイト広告
1つずつ解説します。
リスティング広告
リスティング広告とは、検索を行ったユーザーに対して検索結果の上部(または下部)に掲載する事ができる広告メニューです。
広告媒体としては、GoogleとYahoo!が一般的です。
リスティング広告では、ユーザーが検索しているキーワードに対してターゲティングを行なうことが可能です。
よって、自社の商品を求めているユーザーは「どのような情報を調べるのか?」「購入前に不安に感じていることは何か?」といったことを考え、ターゲティングするべきキーワードを選定する必要があります。
リスティング広告を配信するユーザーは、検索によって商品を購入するための情報収集を行っている顕在層となります。
WEB広告の中でも特に費用対効果が高いことが、リスティング広告を配信するメリットとなっています。
一方で、広告運用で確認するべき指標が多く、また検索したキーワードに対して、適切な広告文やランディングページを配信するための専門的な広告運用スキルが必要になる点がデメリットとなります。
WEB広告で集客を始めるのであれば、まずはリスティング広告から試して頂きたいですが、成果を出すためには『運用に関する知識やポイント』を抑えておく事が重要です。
広告開始時の広告費の相場は、20~30万円程度となっています。
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告とは、広告掲載枠が設置されている様々なWEB上のサイトページに、広告を掲載することが出来る広告メニューです。
有名な広告掲載面としては、Yahoo!のTOP画面などがあります。
ディスプレイ広告といえば、Googleが提供しているGDNと、Yahoo!が提供しているYDAが一般的です。
ディスプレイ広告では、過去に自社のWEBサイトを訪れたユーザーをターゲティング出来るリマーケティングが有名ですが、その他にも年齢や性別など様々なターゲティングメニューを利用することが出来ます。
また、ユーザーが閲覧しているWEBサイトの傾向から興味関心を予測し、特定の興味関心を持ったユーザーをターゲティングして広告配信を行うことも可能です。
例えば『40代の女性』というデモグラフィック属性は同じでも、料理に興味を持ったユーザーと美容に興味を持ったユーザーでは、美容に興味を持ったユーザーの方が化粧品の広告へ興味を持つ可能性は高いと考えられます。
年齢や性別などのデモグラフィック属性だけでなく、ユーザーの興味関心なども含めてターゲティングに活用することが、商品への興味を持ってもらうためには重要となります。
ディスプレイ広告では、アプローチ対象となるユーザー数が多く、売上獲得のポテンシャルが大きいことがメリットとなります。
一方で、商品を購入する可能性があるターゲットであっても、広告を見たタイミングでは興味を持ってもらえる可能性は(リスティング広告と比べれば)高くないため、ユーザーの興味を引くためにはクリエイティブ作成に力を入れる必要があります。
『商品に対して興味を持ってもらうこと』のハードルが高く、広告配信してもクリックされない可能性があります。
またクリックされたとしても、購入してもらうためには『商品の魅力やセールスポイント』が理解しやすいランディングページが必要になるなど、商品を購入してもらうために超えなければならないハードルが多いというデメリットがあります。
広告開始時の広告費の相場は、10万円程度となっています。
ソーシャル広告 (SNS広告)
ソーシャル広告(SNS広告)とは、TwitterやInstagramなど、SNSを通じて出稿する広告メニューです。
スマートフォンの普及とともに、SNSの利用も一般的になっています。
各SNS媒体も広告のメニューを提供しており、Facebook広告、Instagram広告、LINE広告、Twitter広告が有名です。
SNS広告は各媒体が保有しているユーザー情報に大きく差があるため、同じSNS広告と言っても設定出来るターゲティングメニューやターゲティングの精度も様々です。
例えばFacebookは、アカウント作成時に氏名・年齢などの情報を登録する必要があるため、年齢や性別を使ったターゲティングの精度は非常に高くなっています。
一方で、年齢や性別の情報を取得しにくいLINEでは、ユーザーのLINE上の行動をもとに年齢や性別を予測しているため、ターゲティングの精度が低くなっています。
このようにSNS広告は媒体によって設定できるターゲティングメニューや、精度が異なっているため、広告配信を行う場合は必ず各媒体のターゲティングメニューと精度について確認しておきましょう。
ソーシャル広告では、ユーザーが企業のアカウント情報などを使って広告主について知ることが出来るため、ユーザーが商品や宣伝内容に対する安心感を持ちやすい等のメリットがあります。
一方で、広告クリエイティブが非常にユーザーの目に止まりやすいため、(ディスプレイ広告よりもさらに)成果を出すためにはデザイン性が高いクリエイティブを作成するスキルやリソースが必要になるというデメリットもあります。
広告開始時の広告費の相場は、10万円程度となっています。
アフィリエイト広告
アフィリエイト広告とは、アフィリエイターと呼ばれる人たちが広告主の代わりに商品を宣伝し、ユーザーが商品を購入した件数に応じて報酬を支払う広告メニューです。
広告主が広告配信などで集客を行なう代わりに、第三者が商品を販売するための訴求文などを考え、購入してもらうためにWEBサイトへ集客するためのSEOやWEB広告の配信などを行います。
広告主は商品が購入された時にのみ費用を支払うため、集客に関わる様々な金銭的リスクがないという点が最大のメリットになります。
ただし、アフィリエイターが広告主の意図に反した訴求を行なったり、根拠に基づかない内容が顧客に伝わってしまう事によるブランド毀損が発生するなどのリスクもあり、これらがアフィリエイト広告のデメリットになります。
またこれまで自社の商品を宣伝してくれていたアフィリエイターの方が、自社と同様の商品で成果報酬の高い商材があれば、今取り組んでいる案件の広告を停止して、他の商材に乗り換えてしまう可能性もあります。
アフィリエイトは取り扱いが難しい点も多いので、実施を検討している方はアフィリエイトの仕組みや注意点、メリットとデメリットについて理解を深めておきましょう。
広告費用は成果報酬のため、アフィリエイターの方が獲得するコンバージョンの数によって変動します。
WEB広告を出稿するためには、広告費の他にも、最低限準備しなければいけないものが3つあります。
- 広告のリンク先となるサイトやWEBページ(例 ランディングページ)
- 広告媒体ごとの広告管理アカウント
- クリエイティブ(例:テキストやバナー画像)
すでにWEBサイトと広告用のクリエイティブが用意できている場合、広告配信用のアカウント作成から広告配信の開始まで、1週間ほどで完了することが出来ます。
WEB広告の選び方
複数あるWEB広告の中から、自社に合った適切な広告媒体のメニューを選択するには事前に決めておかなければいけない事があります。
WEB広告の媒体を選ぶために決めるべきことは、次の2つです。
- 広告配信の目的を決める
- 商品を購入するターゲットのペルソナ設定を行う
1つずつ解説します。
広告配信の目的を決める
WEB広告の媒体やメニューを決めるためには、まず初めに「なぜWEB広告の配信を行うのか?」という広告配信の目的を決める必要があります。
WEB広告では、売上に繋がりやすい顕在層から売上獲得をすることや認知拡大など、目的に合わせて様々な広告メニューが用意されています。
そして、目的を達成しやすいかどうかという点は媒体によって異なります。
例えば、顕在層からの売上獲得が目的であればGoogleやYahoo!で配信することができるリスティング広告が適していますが、認知拡大という目的であればSNS広告が適しています。
広告配信を行ってなぜ集客を行なう必要があるのか?、その理由を明確にすることで『広告配信を行うべき媒体の広告メニュー』を決めることが出来るようになります。
他の企業でも広告を配信しているので自社でも配信を行なう、という考え方も大切ですが、まずは自社の課題を明確にして、広告配信の目的を整理しておきましょう。
商品を購入するターゲットのペルソナの設定を行う
現在、WEB上で宣伝されている商品は非常に多くなっています。
1人のユーザーが1日に見ている情報量も非常に多いため、商品についてユーザーに認知してもらい、購入してもらうことは簡単ではありません。
ユーザーが広告の内容に対して興味を持ち、購入してもらうためには、広告で宣伝している商品が『自分にとってメリットとなる情報、または悩みの解決策』ということをユーザーに認知してもらう必要があります
この事をユーザーに認知してもらいやすくするための方法が、『ペルソナの設定』です。
ペルソナを決めることで、ユーザーが求めている情報や不安に感じている事をイメージしやすくなり、よりメッセージ性が強いクリエイティブを作成することが出来るようになります。
またペルソナを設定することによって、自社の商品を効率よく宣伝するために必要なターゲティングメニューについてもイメージすることが出来ます。
例えば、『40代の女性』以外のユーザーからは購入が期待できないような商品をWEB広告を使って集客する場合、『40代の女性』をターゲティングすることが出来るかどうかは、WEB広告の媒体選定を行う上で重要な要素となります。
この場合、年齢や性別についてのターゲティングメニューを提供しており、かつターゲティングの精度もある程度高いような広告媒体を選ぶと良いでしょう。
D2C事業におすすめのWEB広告媒体
これからD2C事業でWEB広告による集客を検討している方に向けて、おすすめの広告媒体をご紹介します。
WEB広告を始める場合、最初に費用対効果が高い広告媒体から配信を開始しましょう。
まずは効率よく売上と利益を獲得し、その後で徐々に売上獲得のポテンシャルが大きい広告媒体の配信にチャレンジしていくことをおすすめします。
D2C事業でWEB広告を開始する場合、次の順番で広告配信を行なうことをおすすめします。
- リスティング広告
- ディスプレイ広告(特にYDA)
- SNS広告
最初に広告を配信する媒体としては、リスティング広告をおすすめします。
リスティング広告は顕在層へのアプローチが可能なため、費用対効果が高く、少ないコストでも多くの利益を得ることができる可能性が高いです。
まずはリスティング広告で、売上と利益の基盤を作っていきましょう。
さらにリスティング広告を配信したときの実績を使うことで、『ペルソナのブラッシュアップ』を行うことも可能です。
商品開発や広告配信前にペルソナは設定したものの、実際に市場へ商品を出したり広告配信をしてみると、設定したペルソナのターゲットから良い反応を得ることが出来なかったり、一方で想定していなかったターゲットから良い反応をもらえるという事は珍しくありません。
このような場合、実際の市場の反応を実績として確認し、ターゲットとするペルソナを調整する作業が売上拡大にはとても重要な工程です。
このペルソナを調整するために必要となる『市場の反応』というデータを集める手段としても、リスティング広告は有効です。
リスティング広告では、ユーザーのニーズである『検索キーワード』ごとに広告文への反応(=クリック率)や、実際に商品を購入したかどうか(=コンバージョン率)などの実績を確認することが出来ます。
また、年齢や性別ごとに実績を確認することも可能です。
これらの実績を確認することによって、「〇〇という悩みよりも、△△という悩みを持ったユーザーの方が商品への反応が良い。」といったことや、「メインターゲットは40代を想定していたが、50代の方が売上のポテンシャルが大きいかもしれない。」など様々な気づきを得ることが出来ます。
自社で設定したペルソナと、市場で実際に反応が良いペルソナとのギャップをリスティング広告の実績をもとに分析・調整することで、よりユーザーに反応してもらえるコミュニケーションを取ることが可能です。
ペルソナの設定を調整することによって、広告文やランディングページでの訴求内容やコミュニケーションを改善することが出来れば、売上拡大のフェーズで(リスティング広告ほどは)費用対効果が高くはないWEB広告を配信するときでも、費用対効果を維持できる可能性が高くなります。
ペルソナを調整しつつ、売上と利益の基盤ができた後は、売上獲得のポテンシャルが大きなWEB広告の配信を行いましょう。
D2Cであれば、ディスプレイ広告(特にYDA)の開始をおすすめします。
D2Cで取り扱う化粧品などの商品は、商品を購入するターゲットの年齢と性別がある程度決まっている事が多く、年齢と性別のターゲティングメニューが重要となります。
またディスプレイ広告の配信当初は、成果の高いクリエイティブの傾向を見つけることが重要になりますが、クリエイティブの成果を判断するためのクリック率などの指標は、広告配信が行われている面によって大きく変化するため、様々な面で配信されるGDNでは上手く効果検証が出来ない可能性があります。
一方でYDAは広告配信を行う配信面のほとんどが、『Yahoo!面』と呼ばれるYahoo!サービスに掲載できる広告面になっています。
Yahoo!面の中には、Yahoo!TOPページ、Yahoo!天気、Yahoo!ニュースなどがあります。
YDAでは『Yahoo!面』の在庫を多く保有しており、Yahoo!面にのみ配信されるように設定をしても、クリエイティブの効果検証に必要な配信ボリュームを十分に担保することが出来ます。
まずは成果の高いクリエイティブの特性を見つける事を優先し、YDAでの検証を行うことをおすすめします。
ある程度、成果の良いクリエイティブの傾向を見つけることが出来れば、GDNやSNS広告などで広告を配信するときにも『最初から成果の高い要素を持ったクリエイティブ』を配信することが出来るようになります。
ディスプレイ広告でも効率よく売上獲得ができるようになった後は、SNS広告への挑戦をおすすめします。
SNS広告はターゲティングの精度が低かったり、広告配信する商品と媒体の特性(例 Facebookはビジネス目的で使用している人が多い)が合わないなどの理由で効率よく売上獲得する難易度は高くなっています。
Instagram広告は、SNS広告の中でもD2Cで取り扱う商品と相性が良い媒体ですが、『写真や画像がメインの媒体』という特性からデザイン性の高いクリエイティブを用意する必要があります。
またユーザーから広告が視認されやすく、ユーザーが広告を認知しやすい反面、配信しているクリエイティブがすぐにユーザーに飽きられてしまう事でクリック率が低下しやすいという特徴もあります。
一度クリック率が下がったクリエイティブは、直ぐに新しいクリエイティブに差し替えなければ徐々に成果が悪化するため、差し替えのために多くのクリエイティブを作成する必要もあります。
SNS広告では、効率よく売上獲得を行う難易度が高く、クリエイティブデザインに対する高いスキルと、素早いPDCAサイクルを回すための作業工数も必要となります。
SNS広告を配信する場合は、このようなリソースを準備する必要があることは覚えておいてください。
非常に難易度が高いSNS広告ですが、力を入れて改善していく価値も高まっています。
総務省の令和2年の調査によると、SNSを使用するユーザー数は全年代で年々増加しており、特にInstagramは各年代での利用者比率が大きく上昇しております。
よってSNS広告も、ユーザーへ与えることができる有力な広告手法として、今後も影響力が強くなる可能性があります。
中長期的に売上拡大を行っていくためには、SNS広告の配信の重要性は今後も高くなっていくと予測することができます。
ここまで紹介した順番と、各広告媒体で広告配信した際に抑えておくべきポイントを整理します。
- リスティング広告=設定したペルソナと実際の市場の反応を比べて、ギャップを調整する
- ディスプレイ広告=ターゲットから反応が良い訴求などを知る
- SNS広告=中長期的な売上拡大を見据えて、(投資の意味も含めて)検証を行う
まとめ
WEB広告で集客を行う上で知っておくべきポイントや、各メニューのメリットとデメリットについて解説しました。
売上拡大の有効な手段となるWEB広告ですが、効率よく成果を出すためには広告配信を行う目的やペルソナの設定を行いましょう。
また、WEB広告は費用対効果を高い水準で維持する必要があるため、まずは顕在層から順に狙っていくことが重要となります。
そのためにも最初はリスティング広告などの、ユーザーニーズに対してターゲティングを行いやすく、かつ費用対効果の期待値も高い広告メニューから開始することをおすすめします。
さらにD2Cとリスティング広告の特性がマッチしている理由や、運用のポイントを抑えておくことも大切です。