近年、D2C市場に注目が集まっています。
パソコンやスマートフォンが普及した今、消費活動においても、デジタル化が非常に重要なポイントになってきています。
店舗を持たずとも、SNSを介して顧客とつながり、D2Cで商品展開をする「デジタルD2C」は、特に注目される事業と言えるでしょう。
この記事では、デジタルD2C市場のこれからと今後について詳しく紹介します。
2020年時点の『デジタルD2C』市場規模とは
株式会社売れるネット広告社は、2020年に「デジタルD2C」に関する市場動向調査を実施しました。
その結果が以下のとおりです。
※引用元:株式会社売れるネット広告社
https://netkeizai.com/articles/detail/1756
2020年時点で、日本におけるデジタルD2C市場規模は、2兆2,200億円にまで急成長しています。
2015年からのわずか5年で、市場規模は約9,000億円も拡大しました。
デジタルD2C市場にとって、大きな転換期となったのは2019年頃です。
上記のデータからもわかるとおり、デジタルD2Cの市場規模は、2019年を機に初めて2兆円台を突破しました。
また株式会社電通が発表したデータによると、インターネット広告費が初めて2兆円を突破したのも、この年でした。
・インターネット広告費 → 2兆1,048億円
・テレビメディア広告費 → 1兆8,612億円
2015年以降、順調に増加し続けるインターネット広告費に対して、テレビメディア広告費は年々下降傾向にあります。
2019年は、初めてインターネット広告費がテレビメディア広告費を上回りました。
広告費の逆転現象は、消費者の購買活動の変化を示すものだと考えていいでしょう。
インターネットメディアやSNSを介した情報のやりとりが当たり前になった今、デジタルD2Cは消費者のニーズに合ったビジネスモデルと言えます。
※参照元:株式会社電通「2019 年 日本の広告費」
https://www.dentsu.co.jp/news/release/pdf-cms/2020014-0311.pdf
これからの『デジタルD2C』市場規模の変化とは
デジタルD2C市場は、今後もさらにその規模を成長させていくと考えられています。
売れるネット広告社の試算によると、2025年時点の市場規模は3兆円を突破するとされています。
その成長スピードは、過去5年と同程度です。
業界全体の勢いはまだまだ止まらず、急激な成長を続けていく分野と言って良いでしょう。
ただどの業界も、かなりの数の会社がしのぎを削っているためD2Cの難易度は年々上がっております。
「こんなことになるなんて…。」となる前に、まずはD2Cでよくある失敗要因は抑えておきましょう。
2020年以降は、世界的に新型コロナウイルスによるパンデミックが社会問題化しました。
生活スタイルの変化を余儀なくされる中、消費行動にも非常に大きな変化が生まれてきています。
こうした影響も、デジタルD2C市場にとっては追い風となるでしょう。
D2Cブランド立ち上げ支援事業も拡大
デジタルD2Cの市場規模拡大と共に、新たなビジネスモデルに戸惑う声も増えてきています。
- D2C事業に関するノウハウがない
- 新たにD2Cをスタートしたものの、成果が上がらない
- SNSを活用してユーザーに訴求したいが、フォロワーがなかなか増えない
- どのようなマーケティング戦略が必要なのかわからない
- ECサイトが構築できない
このような企業をサポートするための、D2C立ち上げ支援事業も拡大中です。
D2Cブランドの商品やサービスの開発からローンチ、プロモーション戦略の立案、年間計画の作成などといった総合的なサポートをしてくれるサービスのこと
支援内容は、各種分析や商品コンセプトの立案、事業モデルの設計に実行サポートなど、多岐にわたります。
デジタルD2C事業に注目し、参入する企業が増えている今、ライバルは決して少なくありません。
消費者にとってより魅力的なD2Cブランドを展開するためには、必要に応じてプロの手を借りる必要もあるでしょう。
D2C立ち上げ支援事業も多様化している今、選択肢も増えてきています。
より魅力的な商品を、ユーザーのもとへダイレクトに届けるため、専門的な部分は外部委託するのもおすすめです。
支援事業を利用する際には、まず「どの部分を外部委託すれば、自社商品をさらにブラッシュアップできるのか」を検討してみてください。
その上で、利用する支援サービスを選択すれば、自社の業務効率をアップできます。
まとめ
2025年に向けて、さらに拡大していくと予想されるデジタルD2C市場。
市場規模の拡大は、消費者意識の変化を示していますが、「参入すれば誰でも成功できる」というわけではありません。
D2C事業を軌道に乗せるためには、さまざまなマーケティング手法を用いて、自社商品のファンを獲得する必要があるでしょう。
魅力的な商品を作ること以外にも、以下のような努力が必須となります。
- 販売を通じて特別な顧客体験を提供する
- SNSを通じてユーザーとのつながりを持つ
- 商品やターゲットに合わせて、適切な戦略を練る
一般的な市場とは、全く異なるアプローチが求められるのも、デジタルD2C事業の特徴の一つです。