ペルソナの決め方|設定するメリットと具体的な手順を解説

ペルソナ設定|メリット・作成する流れ

ターゲットとする顧客を定めるペルソナの設定は、マーケティングにおいては非常に大切なプロセスのひとつです。

あらかじめペルソナを設定することで、ターゲットとして想定するべき顧客像を絞り込み、効率的な戦略に取り組めます

ペルソナが設定されていないと、判断が遅くなったり、顧客のニーズについて考えられていないひとりよがりなコンテンツを用意してしまったりと、マーケティングにおいては致命的な事態に陥ることもあります。

この記事では、ペルソナを設定するメリットと、作成する手順について解説します。

目次
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ペルソナとは

ペルソナ例
ペルソナとは

マーケティングにおけるペルソナは、端的にまとめると「理想の顧客像」を指す言葉です。

あくまで架空の顧客像ではあるのですが、企業や商品・サービスのターゲットとなるだろう顧客の特徴として考えられるものをまとめ、実在する人間に限りなく近い形に作り上げられています。

顧客として想定される人物像が作り込まれたキャラクターと考えると、わかりやすいでしょう。

なぜ架空の顧客像であるキャラクターを詳細に作り込む必要があるのかというと、商品やサービスを届けるべき顧客像を具体的で明確なものにするためです。

想定されるターゲット層の顧客像が具体的なものになれば、発信するべきコンテンツの傾向や種類も自ずと絞られてきます。
ターゲットにとって、より魅力的なコンテンツを提供するためにも、ターゲットである顧客層の詳細かつ具体的なペルソナを設定することは重要なポイントなのです。

ペルソナを設定するメリット

ペルソナを設定することで、マーケティングはより良い効果を発揮してくれるはずです。

ペルソナの設定のメリットは下記の2点になります。

  • 顧客視点を獲得できる
  • 顧客への理解を深めることができる

✓顧客視点を獲得できる

ペルソナを設定する過程では、ターゲットである顧客を実在する人物として想定することになります。
人格を持っている存在としてイメージした結果として、企業側からの視点ではなく、顧客側からの視点も獲得できるのです。

企業側としては、自社の商品・サービスをとにかく売り込みたいという意識が先立ちがちです。

ですがペルソナを設定し、商品やサービスを購入する側である顧客の視点を獲得することで、顧客のことを考えずに商品やサービスを押し付けるような、ひとりよがりなマーケティングを避けられます

企業としての視点に合わせて顧客視点も獲得することで、顧客の本当のニーズにも気が付きやすくなり、顧客から望まれているコンテンツの提供につながります。

✓顧客への理解を深めることができる

ペルソナを設定していく過程の中では具体的な人物像を描くため、顧客として想定されるターゲット層への理解が深まっていくのも大きなメリットです。

顧客がどのような人物か理解できれば、必要とされているコンテンツやサービスが何か考えやすくなります

たとえばどんなことに興味を持っているのか、趣味や好みはどんなものかといったことから、日頃の悩みや困りごとまで、ペルソナを設定する際には詳細な情報をたくさん想定することになります。

顧客のニーズに合ったコンテンツを提供しやすくなるのはもちろんのこと、マーケティング業務の課題・改善点などを見つけやすくなるというメリットもあります。

ペルソナの決め方の手順

ペルソナの決め方の手順は下記の通りです。

  1. ターゲットの情報を収集する
  2. 顧客・営業へインタビューする
  3. データ分析をする
  4. ペルソナを作成する

では実際に、ペルソナを作成するための具体的な流れについて見ていきましょう。

➊ ターゲットの情報を収集する

まずは既存の顧客の情報をチェックし、データを抽出してグループ分けすることから始めます。
有用なデータの項目としては、顧客の年齢や性別、住んでいる場所、学歴や家族構成等が挙げられます。

また購入している商品やサービスとその個数、利用額なども有効なデータです。

より詳細な項目として、職種や役職・仕事に必要なスキル、勤めている会社の規模や業界の特徴、普段よくチェックするSNSやWebサイトなどもペルソナの設定に役立つ情報です。

❷ 顧客・営業へインタビューする

既存の顧客の情報を調べてグループ分けした後、代表的な顧客像と思われるグループ内から顧客を選んでインタビューを行います。

データによる顧客のグループ分けが難しい場合には、売上上位の顧客を選ぶようにします。
既存の顧客のうち、上位2割の顧客が売上の80%を占めているといわれています。

この上位2割の顧客を理想的なターゲット層として、インタビュー相手に選びましょう。

インタビューを行う際には、あらかじめ質問を決めておきます。

中でも必ず聞いておきたいのが、顧客が自社の商品に興味を持った動機や、商品の購入を検討する際の情報収集の仕方、検索キーワード、購入すると決めたポイントなどです。

商品を見つけてから実際に購入するまでに至る流れは、顧客のニーズに合わせたコンテンツ制作にはとても役立つ情報です。

対面インタビュー等での情報収集が難しい場合には、アンケートやECサイトのアクセス解析などが効果的です。

データとしての正確性はインタビューする相手が多ければ多いほど向上しますが、多くの人にインタビューするにはそれだけ時間もコストもかかります。

インタビューやアンケートを通じて情報収集する相手は必要最低限に抑えるのが理想的です。

場合によっては、顧客に直接インタビューやアンケートを行うことができないケースもあります。
そのときには、直接顧客と関わることのある営業担当に話を聞いてみましょう。

顧客自身の目線とはまた違った角度からの情報によって、それまで明らかになっていなかった顧客のニーズやターゲット層の特徴・特性が判明することもあります。

❸ データ分析をする

自社サイトを利用しているユーザーの情報を確認・分析することも必要です。
アクセス解析ツールを使えば、自社サイトを訪れているユーザーのいろいろな情報をチェックできます。

年齢や性別、住んでいるエリアといったユーザーのプロフィールだけでなく、どうやって情報収集しているか、他にはどのようなサイトやコンテンツに興味を持っているかなど、細かいデータも知ることができます。

❹ ペルソナを作成する

ペルソナを実際に作成するためには、まず人物としてのアウトラインから仕上げていきます。
骨組みとなるのは、顧客の情報に共通する特徴です。

プロフィールは顧客ひとりひとり違いますが、たとえば性別や年齢、職種など、上位顧客に共通する項目が見つかるはずです。
それらの項目を基本の骨組みとしてペルソナを構築していきます。

基本の骨組みが完成したら、そこからより具体的でリアリティーのある人物像を作るために、物語的な形で肉付けを施していきます。

実在の人物には、どんな人にも背景や人生のストーリーがあります
ペルソナは架空の人物ではありますが、リアリティーがある存在として作り込まなければいけません。

名前や年齢、性別、職業や家族構成といった基本的なプロフィールの他にも、いろいろと設定するべき項目があります。

たとえば趣味や友達付き合いの仕方、余暇はどう過ごすか、普段買い物する場所はどこか、日々の習慣は何か…一見自社の商品とは関わりがないように思える部分まで、詳細に作り込んでいきましょう

よりリアリティーのあるペルソナを作成するためには、人物の具体的な行動を設定するだけでなく、「なぜその行動を取るのか」という点に基づいて考えることが大切です。

たとえば余暇は家でゆっくりしていることが多いのであれば、なぜ外出するよりも自宅で過ごす方が好きなのか、意志を決定する動機や理由、行動を決めるに至るプロセスなどに注目してみると、リアリティーのあるペルソナを作成できます。

ペルソナは設定したら終わりじゃない

ペルソナの作成はマーケティングに役立つとご紹介しましたが、ただ作ればいいというわけではありません。

ペルソナを活かすために、運用や再検証を行う必要があります。

ペルソナを元に運用する

ペルソナを作成したら、まずは本当にリアリティーのある人物像になっているかを検証します。

顧客と直接関わっている営業担当にペルソナを確認してもらって、自社の顧客としてリアリティーのある造形になっているかチェックしてもらいましょう。

実際の顧客と似た人物像であるかを確かめるため、改めてユーザーにアンケートやインタビューを行うのも効果的です。

リアリティーのあるペルソナを設定したら、次は実際に運用していくことになります。
ペルソナを基軸としてマーケティング活動を行い、売上等に影響はあるのか様子を見てみましょう。

ペルソナの再検証をする

ペルソナを運用していく上で注意したいのが、「顧客の動向は常に変化する」ということです。

ペルソナを設定し、検証した時点ではリアリティーのある顧客像だったとしても、時間の経過とともに実際の顧客像とはイメージが離れていってしまうケースもしばしばあります。

初めは上手くいっていたけれどだんだんデータが噛み合わなくなってきた、ということもあり得るのです。

作成した段階ではリアリティーのあるペルソナだった人物像でも、実際に運用してみた結果として、現実とは食い違う部分があると発覚するのもよくあることです。

現実の顧客とのずれが明らかになってきたら、ペルソナの設定をその都度見直し、もう一度検証してみるようにしましょう。

実際の顧客と直接関わっている営業担当とも意見を交換しつつ、定期的にペルソナの設定をチェックし、今の顧客層に噛み合っているか見直してみてください。

まとめ

ペルソナは、マーケティングにおいては必要不可欠な要素のひとつです。

自社にとっての理想の顧客像がはっきりしていれば、マーケティング業務における意思決定にも大きなメリットがありますし、より顧客のニーズを汲み取りやすくなるという面でも無視できない恩恵があります。

リアリティーのあるペルソナを作成するには相応の時間やコストがかかってしまいますが、ペルソナを設定することによるメリットは無視できません。

現在、顧客のニーズは実に幅広く多様化しています。
細かく多様なニーズひとつひとつを把握・理解し、応えていくためにも、丁寧に作り込まれたペルソナを設定するのはとても大切なポイントです。

ユーザーのニーズに応えられるコンテンツを発信していくためにも、できるだけていねいでリアリティーのあるペルソナを作成していきましょう。

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