D2CでWEB広告を使った集客を行っている方にとって、売上拡大のためにディスプレイ広告の実施を検討している人は多いかと思います。
今回は、ディスプレイ広告のメリットとデメリットや、D2Cでよく使用されるターゲティングメニューなどを紹介します。
また、記事の中で紹介する『ディスプレイ広告の運用ポイント』を意識することによって、ディスプレイ広告の費用対効果を改善できる可能性が高くなります。
この記事では、ディスプレイ広告を使った集客を検討している方へ、
- ディスプレイ広告を使うメリットとデメリット
- D2Cと相性が良いターゲティングメニュー
- ディスプレイ広告運用に関する3つのポイント
について解説します。
ディスプレイ広告とは
ディスプレイ広告とは、広告掲載枠が設置されている様々なWEB上のサイトページに、広告を掲載することが出来る広告メニューです。
有名な広告掲載面としては、Yahoo!のTOP画面などがあります。
広告のクリエイティブには画像とテキストを使用でき、テキスト情報だけでは伝えることが難しい『商品のイメージ』なども、ディスプレイ広告であればユーザーに伝えることが可能です。
ディスプレイ広告といえば、Googleが提供しているGDNと、Yahoo!が提供しているYDAが有名です。
ディスプレイ広告のメリットとデメリット
D2Cの広告集客で、ディスプレイ広告を配信するメリットとデメリットについて解説します。
ディスプレイ広告のメリット
ディスプレイ広告を配信することの大きなメリットは次の2つです。
- 潜在層へのアプローチが可能
- リマーケティングを使用できる
1つ目のメリットは、潜在層へアプローチが出来るという点です。
商品を購入してくれるユーザーのほとんどは、「〇〇という悩みを解決したいけど、どうやって解決するかわからない。」と感じている潜在層です。
潜在層へのアプローチを行うことによって、より多くのユーザーから売上を獲得することが出来る可能性があります。
ディスプレイ広告では、WEBサイトを閲覧している『潜在的にニーズを持ったユーザー』にアプローチすることが出来るため、正しくターゲティングを行うことが出来れば、売上を大きく増やすことが可能です。
2つ目のメリットは、リマーケティングというターゲティングメニューを使うことで、過去に自社サイトを訪れたことのあるユーザーにのみ広告を配信することができる点です。
ほとんどのユーザーは興味のある商品を見つけても、すぐには購入せずに「他にもっといい商品はないかな?」と比較検討を行います。
そしてこのような行動を取るユーザーの中には、一度は商品に興味を持ったものの、見つけた商品をすぐに忘れてしまうユーザーもいます。
商品に興味を持ってくれたユーザーに、商品を思い出してもらい、購入してもらうためのアプローチを行うためにも、リマーケティングはとても有効なターゲティングメニューです。
実際にリスティング広告と同程度の効率で売上獲得できることも珍しくないため、ディスプレイ広告を配信するのであれば、まずはリマーケティング配信から開始することをおすすめします。
ディスプレイ広告のデメリット
ディスプレイ広告のデメリットは次の2つです。
- 効果検証する要素が多く、分析の難易度が高い。
- 間違えてクリックされることも多い。
1つ目のデメリットは、クリエイティブの効果改善を行うためにスキルが必要な点です。
ディスプレイ広告のクリエイティブの中には、テキスト情報や画像の色、そしてデザインなど様々な要素が含まれています。
成果に影響する要素が複数あるため、成果改善につながった要素を特定するための分析力や、良い要素を見つけるための検証方法を知っておく必要があります。
中長期的に売上拡大していくためには、一定のレベルの効果検証と分析に関するスキルが必要となり、スキルが低い場合はディスプレイ広告の成果が改善できなくなります。
2つ目のデメリットは、広告が間違えてクリックされることも多い点です。
ディスプレイ広告は、WEBサイト上のページを閲覧しているユーザーが興味を持った段階で広告をクリックします。
実際に、「なんの広告か分かっていないが、気になったのでクリックしてみた。」というユーザーのクリックも珍しくありません。
これによって、広告の費用対効果が下がってしまう点がデメリットとなります。
ディスプレイ広告とリスティング広告の違い
ディスプレイ広告とリスティング広告の違いがよく分からないという方へ、3つの違いを紹介します。
- 広告の掲載位置
- アプローチするターゲット層
- 広告の掲載フォーマット
1つずつ解説します。
①広告の掲載位置
リスティング広告は検索結果の上部(または下部)に、ディスプレイ広告はWEBサイトのページに設置されている広告掲載枠に、それぞれ広告が配信されます。
リスティング広告では、ユーザーが検索したタイミングに広告を掲載することができ、検索結果と一緒に自社の広告を見てもらうことが出来ます。
リスティング広告では、検索しているキーワードと関係性の低い広告を配信することが難しいため、ユーザーが広告と関係のある情報を調べてくれた時に広告が配信されます。
ユーザーが調べている情報に対して、興味を持っているタイミングに、関係性の高い広告を配信することが出来る点はメリットですが、ニーズ持っているユーザーの中で『検索を行なうユーザー』は限られているため、広告を配信する機会も限定されるという特徴があります。
一方でディスプレイ広告は、ユーザーがWEB上のページを見ている時に、そのページに広告の掲載枠があれば、広告を配信することが出来ます。
リスティング広告よりも、広告を配信する機会が多いため、商品を購入する可能性があるユーザーにアプローチする回数を増やすことが出来ます。
よって、WEBサイトのページでふと見つけた広告をクリックしたユーザーなどを、サイトへ誘導することが可能です。
ただし、興味関心が弱くなっているタイミングや、広告とは関連性の低いページをユーザーが見ている時でも広告が配信されるため、リスティング広告と比べるとコンバージョン率などが低くなる傾向があります。
②アプローチするターゲット層
リスティング広告では、今まさに情報を知りたいと思って検索している顕在層にアプローチすることが出来ます。
顕在層は情報への感度が高く、広告配信の費用対効果も高くなる特徴があります。
一方でディスプレイ広告では、悩みとしては具体的に把握していないものの、商品に対してニーズを持っている可能性が高い潜在層にアプローチすることが出来ます。
(顕在層と比べると)潜在層はユーザー数が多く、アプローチすれば多くの売上を獲得できるポテンシャルがあります。
③ユーザーからの広告の見え方
ユーザーから見える広告は、リスティング広告では『テキスト情報のみ』となっています。
一方で、ディスプレイ広告はテキスト情報以外にも、『画像や動画』をクリエイティブに使用できるため、商品のイメージなどをユーザーに知ってもらう事が出来ます。
テキスト情報のみで、商品のブランドカラーや高級感などのブランドイメージを伝えることは難しいですが、ディスプレイ広告で画像や動画を使用すれば、これらの要素をユーザーに伝えやすくなります。
D2Cで使われる代表的なターゲティングメニュー
ディスプレイ広告では、WEB上のユーザー行動のデータを使用して、様々なターゲティングを行うことが出来ます。
この章では、D2Cでもよく使われているディスプレイ広告のターゲティングメニューを3つ紹介します。
- リマーケティング(GDN・YDA)
- デモグラフィックターゲティング(GDN・YDA)
- サーチターゲティング(YDA)
1つずつ解説します。
✓リマーケティング(GDN・YDA)
ディスプレイ広告の中でも、リマーケティング広告は非常に多くの企業が実施しているターゲティングメニューです。
リマーケティング広告では、自社のサイトを訪れたユーザーを『リスト化』しておき、リストに含まれているユーザーに絞って広告配信を行うことが出来ます。
過去に自社サイトを訪れたことのあるユーザーは、すでに自社の商品について知っている可能性が高く、広告配信の費用対効果が高くなることが特徴です。
配信ボリュームは『過去に自社サイトを訪れているユーザー数』によって変わりますが、たとえ配信ボリュームが少ないとしても、まずは実施しておきたいターゲティングメニューです。
✓デモグラフィックターゲティング(GDN・YDA)
D2Cのディスプレイ広告では、デモグラフィックターゲティングがよく使われています。
D2Cで取り扱う化粧品や美容液等の商品は、『40代女性』のように商品を購入するユーザー(=メインターゲット)が明確なことが多く、ターゲティングすることの重要性が高い傾向にあります。
ディスプレイ広告では、ユーザーの年齢や性別をターゲティングすることが出来ます。
ターゲティングに使用してる年齢や性別は、WEB上の行動に基づいた予測値ですが、精度は高い傾向にあります。
商品を購入するユーザーの年齢や性別などの情報をターゲティングすることによって、購入してもらえる可能性が高いユーザーに絞った配信が可能です。
✓サーチターゲティング(YDA)
サーチターゲティングは、ユーザーが過去にYahoo! JAPANで検索を行ったキーワードをもとに、『特定のキーワードを検索したユーザー』へ広告を配信することが出来るターゲティングメニューです。
同じような属性を持っているターゲットであっても、(過去の行動も含めて)自身で検索を行ったユーザーは、検索していないユーザーに比べて『自身の悩みや不安を解決したい』という気持ちが強い可能性があります。
過去に一度でも検索を行ったユーザーに広告を配信することで、『顕在層に近い潜在層』へアプローチを行うことが出来ます。
リマーケティングとデモグラフィックターゲティングでは、成果に大きく差が出ることも多いため、次のような順番でターゲティングメニューを開始することでディスプレイ広告の費用対効果の悪化を防ぐことが出来る可能性が高くなります。
- リマーケティング
- サーチターゲティング
- デモグラフィックターゲティング
ディスプレイ広告の運用ポイント
ディスプレイ広告では、様々なターゲティングメニューを使うことが出来ますが、全てのメニューに共通している運用ポイントがあります。
ディスプレイ広告の運用ポイントは、『人・配信面・クリエイティブ』の3つです。
この3つの要素について知ることによって、ターゲティングメニュー選びなどのヒントを得ることも出来ます。
①人(誰に、配信するのか?)
まずは、広告を配信するターゲットを決めましょう。
多くのユーザーの中から、誰をターゲティングするかによって、広告の費用対効果は大きく変わります。
またターゲットの年齢や性別が同じであっても、商品を購入しようと思っているのか、それとも抽象的な悩みを抱えているのか、という違いによってユーザーに伝えるべき内容や表現は変化します。
例えば、「購入したい!」と思っているユーザーに「お得ですよ!」というコミュニケーションは効果がありそうですが、「乾燥肌を改善したい。」と思っているユーザーに同じようなコミュニケーションを行っても反応してもらえない可能性は高いです。
ターゲットによって伝えるべき内容などのコミュニケーションの正解は違うため、クリエイティブのメッセージ性を高めるためにも『広告を配信するターゲット』を明確にしておきましょう。
②配信面(どこで、いつ見てもらうのか?)
広告を配信しているターゲットは同じでも、広告を配信した時にユーザーが見ているページも広告の成果に影響します。
例えば、ディスプレイ広告が配信される広告の掲載位置は、ページに設置されている掲載枠の位置によって異なります。
ページの上部に掲載枠があれば、ページを訪れた多くのユーザーに広告を発見してもらえますが、ページの下部の見えづらい箇所に掲載枠が設置されていれば広告が見つけてもらえない可能性は高くなります。
さらに広告が掲載されているWEBページを誰が作っているか、という要素も広告の成果に影響します。
例えば、Yahoo!社が提供してるサービスの『Yahoo!ニュース』と、誰が書いているかわからない商品のランキングページでは、広告の成果に差が出る可能性があります。
このように掲載枠や、ページが持つ(安心感などの)イメージによって、配信しているターゲットが同じであっても広告の成果に差が出ることがあります。
また配信面の中には、誰かを誹謗中傷しているなどの、広告を掲載してしまうことでブランド毀損につながるようなページもあるため、このようなセンシティブなページに広告を配信しないようにすることも大切です。
③クリエイティブ(何を、どのように伝えるべきか?)
ディスプレイ広告では、クリエイティブの質が費用対効果に大きく影響します。
成果の良いクリエイティブは、より多くのユーザーへ安いクリック単価で配信することができます。
よって、クリエイティブの効果検証はディスプレイ広告の重要な作業となります。
どのような訴求やデザインにすれば、広告を配信しているターゲットから反応してもらえるかと仮説を立てて、検証を行いましょう。
開始当初はユーザーからの反応を確かめながら、伝えるべき訴求内容や表現方法をブラッシュアップしていくことが大切です。
まとめ
この記事では、ディスプレイ広告の概要やD2Cでよく使われるターゲティングメニュー、そして運用のポイントについて解説しました。
D2Cと相性が良いターゲティングメニューを使うことで、ディスプレイ広告で成果を出せる可能性が高くなります。
また運用のポイントを抑えることで、対応するべき施策や考えるべき内容が明確になり、成果改善の作業効率もアップすることが出来ます。
ディスプレイ広告は、運用ポイントの中でも『クリエイティブの検証』が特に重要になってくるため、効果検証を素早く、効率的に行うことでより大きな売上を獲得することが出来る可能性があります。