D2Cブランドの売上アップのために、欠かせない視点の一つがLTVです。
「Life Time Value」の頭文字を取ったLTVは、日本語で「顧客生涯価値」と言います。
つまり、顧客との取引がスタートしてから完了するまで、どれだけの利益をもたらしてくれるのかを指す言葉です。
D2Cブランドで大事なのは、商品やブランドに対して、愛着を持ってもらうことだと言えるでしょう。
つまり、LTVを最大化しようとする試みは、常に実践しておきたいところです。
この記事では、すぐに実践しやすいLTVを最大化させるための6つのテクニックをご紹介します。


①フォローメールを構築する
D2Cブランドで成功している企業の多くは、顧客に対するフォローメールを充実させています。
フォローメールとは、その名のとおり、自社の顧客をフォローするためのメールのことです。
D2C会社から顧客に送信されるメールには、さまざまな種類が存在しています。
- おすすめ商品を紹介するためのダイレクトメール
- 商品を購入してくれた顧客に対するサンクスメール
- 商品購入から到着までの案内メール
こうしたメールは、「すでに送信している」という企業も多いのではないでしょうか。
一方でフォローメールとは、「すでに自社を利用していただいている顧客との関係維持」を目的とするメールです。
毎月一定回数フォローメールを送信することで、「会社側が顧客を大切にしている」という姿勢を示せるでしょう。
フォローメールに記される内容は、特定商品の宣伝や販売促進ではありません。
- 購入していただいた商品の、効果的な使い方
- 企業理念に関するコラム
- 商品に関して、よくある質問
- 定期購入利用者に対する感謝の気持ち
このように、「顧客の元に届いて嬉しい情報」を意識すると、より良いフォローメールに仕上がるでしょう。
②継続中のお客さまの喜びの声を伝える
フォローメールには、継続中のお客さまの、喜びの声を掲載するのもおすすめです。
取引スタートから日が浅い顧客に対して、リピーターユーザーの声や経験談を届ければ、継続への意識を高められます。
定期購入メニューを提供している場合、途中でやめて後悔したお客様の声を掲載するのも効果的です。
長い期間取引が継続すれば、中だるみの時期はやってくるものです。
実際の声を紹介することで、途中離脱を防ぐ効果が期待できます。
③サプライズプレゼントする
店舗を持たないD2C会社にとって、顧客に対する愛情や感謝を伝える方法は、限られてきてしまいます。
LTVを最大化するためには、顧客に対する想いをわかりやすく伝え、離脱を防ぐ必要があるでしょう。
効果的に活用できるのが、サプライズプレゼントです。
定期購入契約を長く結んでいるロイヤル顧客は、D2Cの売上を安定させるために重要な存在と言えるでしょう。
できるだけ長く、契約を継続してもらうのが望ましいですが、実際には3~4回目での契約解除が多いのが実情です。
だからこそ、活用したいのがサプライズプレゼントです。
解約率が上がるタイミングでサプライズプレゼントを送付すれば、「やっぱりもう少し続けよう」という顧客心理を刺激できます。
サプライズプレゼントのおすすめは、定期購入品とセットで活用できるアイテムです。
また、「誰でも手に入るもの」では、あまり効果が期待できません。
定期購入者だけが入手できるアイテムを用意することで、特別感を演出できるでしょう。
サプライズプレゼントは、定期的に準備するのがおすすめです。
購入回数ごとにプレゼントの内容を変えれば、「次は何だろう?」と、顧客のワクワク感を刺激できます。
「あと1回でサプライズプレゼントだから」という理由で、解約を先延ばしできる可能性も高まるでしょう。
定期購入は、「契約してもらうこと」だけではなく「続けてもらうこと」も重要なポイントです。
LTVにも目を向けて、既存顧客向けサービスも充実させてみてください。
④決済方法をクレジットカード払いに変更させる
定期購入をしている顧客の解約率を下げ、LTVを最大化させるために、有効なのが「クレジットカード払い」です。
カード番号を入力するだけで購入できるカード払いは、顧客側・企業側双方において便利なものです。
また企業側にとっては、「支払い時の精神的負担を低くできる」というメリットも期待できます。
商品が届くたびに代金を支払うよりも、クレジットカードを使う方が「支払っている感」を軽減できます。
クレジットカードで支払う代金は、多くの場合で定期購入品だけではありません。
別の支払いに紛れるため、負担感が軽くなるのでしょう。
ただし、顧客に対して、最初からクレジットカードしか選択肢がないというのは危険です。
「カード登録しなければならないなら、やめておくか…」と考える方も、決して少なくありません。
だからこそ重要なのは、「申し込みの選択肢としては多く用意しておくこと」と「申し込み後にクレジットカード払いへと変更してもらう」という工夫です。
最もおすすめなのは、申し込み完了画面やフォローメールで、追加割引と共に案内する方法です。
「クレジットカード払いに登録してくれた方限定」の割引や購入プレゼントを用意すれば、スムーズに導けるでしょう。
⑤支払いの頻度を下げる
支払い方法について工夫したら、もう一点、支払い頻度についても工夫してみてください。
定期購入の場合、支払い頻度を下げれば下げるほど、解約率を低下させる効果が期待できます。
顧客にとって、商品購入時の最大のデメリットは「お金を支払う」という点です。
このデメリットをきっかけに、契約そのものについて見直す方も少なくありません。
一方で、お金を支払う機会さえなければ、そのままなんとなく契約継続する方も多いのではないでしょうか。
お金を支払う機会をゼロにすることはできなくても、機会を減らすことは十分に可能です。
おまとめコースや長期コースを用意すれば、一度の支払いで数ヶ月分の商品を届けられます。
ただし、あまりに購入費用が高くなり過ぎるのも問題です。
特に新規顧客向けの場合、「手軽さ」も重要なポイントの一つと言えるでしょう。
「3ヶ月分おまとめコース」など、程よい金額とタイミングを意識してみてください。
⑥解約受付を電話のみにする
インターネットで何でもできる便利な世の中だからこそ、あえて「不便さ」を活用するのもおすすめです。
定期購入の解約受付を電話のみにすることで、LTV最大化につなげやすくなります。
インターネットの場合、いつでもどこからでも解約が可能です。
一方で電話の場合、営業時間の制限があったり、オペレーターと直接会話する必要があったりします。
ネット手続きと比較して、精神的なハードルが高い点が最大の特徴だと言えるでしょう。
勢いで定期購入を契約した場合、勢いのまま解約してしまう顧客も、決して少なくありません。
「電話」という方式を採用することで、いったん立ち止まって考えるきっかけを与えられるでしょう。
また、顧客本人とオペレーターが直接やりとりすることによって、『解約阻止』を行えるという点もLTV向上に期待できます。
- 定期購入者への感謝の気持ちを直接伝えられる
- サプライズプレゼントのタイミングや内容を伝えられる
- 購入者の不満に応じて、最適な解決策を提案
実際に、「解約手続きは電話のみ」という対応を行っているD2C会社は多く存在しています。
ただユーザビリティからするとインターネットからの解約があった方がいいため、ユーザビリティと解約率を天秤にかけて実施するかどうか検討いただければと思います。
まとめ
D2Cブランドが売上をアップし、伸ばしていくために必要なのが、LTVの最大化という考え方です。
「一度購入してもらって終わり」では、売上アップは見込めません。
何度も購入してもらうための工夫が、必須だと言えるでしょう。
こうした状況の中で、特に化粧品等においては定期購入を実践する会社も増えてきています。
定期購入においても、「契約してもらったらそれで終わり」というわけではありません。
どうしたら途中解約率を下げられるのか、少しでも長く使ってもらえるのかについて、検討してみてください。
今回紹介した6つのコツは、すぐに実践できるテクニックばかりです。
まだ取り入れていないテクニックがあれば、ぜひ積極的に導入を検討してみてはいかがでしょうか。